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» 2012年01月06日 10時00分 UPDATE

JINS PCは効果があるのか? 眼科医が日本マイクロソフトでの導入事例で検証した

LED液晶ディスプレーから多く発せられる「ブルーライト」をカットすることで、目の疲れやちらつきを大幅に軽減するというJINS PC。先行導入した日本マイクロソフトの社員約500人の協力を得て、その効果を検証した。

[PR/Business Media 誠]
井手武医師 JINS PCの効果検証を実施した南青山アイクリニックの井手武医師

 アイウエアショップ「JINS」が2011年9月30日に発売したPC作業用メガネ「JINS PC」。PCやスマートフォン、タブレット端末などのLED液晶ディスプレーから多く発せられる「ブルーライト」と呼ばれる青い光をカットすることで、目の疲れやちらつきを大幅に軽減するという、画期的な機能を持った商品だ。

 JINS PCは発売直後から各方面で高い注目を集めているようだ。PCやスマートフォンの利用機会が多い個人ユーザーはもちろんのこと、最近では福利厚生の側面から企業での一括導入も検討される。例えば日本マイクロソフトでは、同社の社員にJINS PCを支給し、その導入効果の測定も行った。

 JINS PCの効果に専門家の立場から注目しているのが、南青山アイクリニックの井手武医師だ。井手先生はPC作業による目の疲れについて独自の研究を行っており、その一環としてJINS PCの効能テストを実施している。日本マイクロソフトの導入事例においても、その効果を統計的に検証・分析した。

 今回は井手先生に眼科医としての立場から見たJINS PCの効能や、効果検証の分析結果などについて話を聞いた。

ブルーライトが目の疲れを引き起こすメカニズム

──なぜ、PCやスマートフォンを長時間使っていると目が疲れるのでしょうか?

JINS_PC 日本マイクロソフトに導入され、効果検証が実施されたJINS PC

井手先生 大前提として、PCやスマートフォンの画面上に表示される文字や画像が、ドットの集まりで描かれていることが挙げられます。ドットで構成された線のエッジは、印刷物のように滑らかにはならず、どうしてもギザギザです。

 そのため、どうしても像がぼけて見えます。このぼけた像に対してピントを合わせようとして、目に大きな負担が掛かってしまうのが根本原因です。

 また、LEDが発する光に多く含まれる青い光、つまりブルーライトには、もともと像をぼけさせる作用があるため、さらに目に負担が掛かってしまうというわけです。

──なぜ青い光は像をぼけさせてしまうのでしょうか?

井手先生 光は色、つまり波長によって曲がり方が異なります。これは虹や、プリズムに光を通すと異なる色が縞模様になって見えることから分かります。

 同じ光学系(角膜や水晶体)を通過しても、赤のように波長の長い光と青のように短い波長の光では曲がり具合が異なり、収差というボケを生じます。加えて、青い(短波長の)光は赤い(長波長の)光よりも 空気中の水分やチリにぶつかったときに散乱しやすいのでボケて見える。

──もともとぼけやすいPC画面上の像が、青い光によってますますぼけて見えてしまうということですね

井手先生 もう1つ、青い光は「色収差」の観点からも、目に掛かる負担が大きいと考えられます。色収差は、カメラレンズの用語として知られている言葉です。光がレンズを通過する際、光の色によって曲がり方が異なるため、焦点の合う位置も色ごとにずれてしまいます。その結果、色がにじんでしまう現象のことを指します。

 赤い光はレンズから遠い位置で焦点が結ばれ 青い光はレンズから近い位置で焦点が結ばれます。その中間の波長を持つ緑の光の焦点は、赤と青の中間に位置します。これを解消するために高級レンズは何枚も重ねて色収差をなくそうと工夫しているのです。

──目の水晶体でも、同じ現象が発生するということですね

井手武医師 赤緑検査は何のために行うのかを実演しながら説明する井手先生

井手先生 そのとおりです。メガネを作ったことがある人ならば、視力検査で赤の像と緑の像を見比べるテストを受けたことがあるでしょう。あれは赤い光と緑の光、それぞれの焦点がちょうどいい感じになっているかどうかを検査するためのものです。近視(遠視)のメガネ・コンタクトの装用者の場合は、赤が強ければ低矯正(過矯正)、緑が強ければ過矯正(低矯正)です。

 つまり赤い像と緑色の像が同じように見える状態が、目にとって最も自然な状態なのです。しかし、青い光というのは緑よりもさらに焦点の位置が手前になります。つまり、ぼけている。目にとってピントが合わせづらいのです。

JINSPC 青い光をカットすることでピントがあわせやすくなり、目にかかる負荷が軽減される

──なるほど。青い光は、目にとっていろんな面で負担が掛かるものなのですね

井手先生 さらに青い光は朝日と同じように、睡眠を抑制する働きがあるといわれています。したがって、就寝前にPCやスマートフォンを操作してブルーライトを浴びることは、睡眠障害の原因になるという説があります。

 実際、夜になってからスマートフォンやタブレット端末を長時間利用しているうちに、睡眠サイクルが狂ってしまったという報告もあるようです。こうした観点からも、青い光を過度に浴びることは、身体に余計な負担を掛ける可能性があります。

日本マイクロソフトの導入事例でも明らかな効能が

──JINS PCはブルーライトをカットすることで、青い光のネガティブな作用を軽減するわけですね。ちなみに南青山アイクリニックでは、JINS PCの効能テストを行われたとお聞きしています

JINSPC 南青山アイクリニックでも販売しているJINS PC

井手先生 はい。先ほど説明したブルーライトの作用というのは、あくまでも理論上の話なので、やはりそれを裏付けるための検証を行う必要があります。私たちが独自に行った検証では、20人前後の被験者を対象にJINS PCを掛けた場合と掛けなかった場合のフリッカーテスト(※1)の結果を比較したのですが、やはりJINS PCを掛けた方が目の疲れを抑えられるという結果が得られました。

 ただし、目の疲れの感じ方には個人差があります。例えば、PCの作業が大好きだという人は疲れを感じにくいかもしれませんし、PC作業や仕事を苦痛だと感じている人はより多くの疲れを感じやすいかもしれません。目の疲れの主観的な評価には、精神面がある程度作用するものと思われます。したがって、信頼度の高い検証結果を得るためには、被験者の数を増やして大きな集団でテストする必要があります。

※1 フリッカーテスト:目の疲労度を測定するためのテスト。間隔を変えながら光を明滅させ、そのちらつきの見え具合により疲労度を判定する。

──日本マイクロソフトでJINS PCを利用する社員に対して行ったアンケート調査の結果を解析されたそうですが、この調査ではどれだけの被験者が参加したのでしょうか?

JINS_PC 日本マイクロソフトで実施されたJINS PCの効果検証の様子

井手先生 アンケート対象者は487人です。全員から有効なアンケート結果を回収できたわけではなかったのですが、それでも十分な数の母体数が確保できたと思っています。

 調査方法は、まず対象者を2つのグループに分け、それぞれでJINS PCを4日間装着して仕事をしてもらい、初日(月曜日)の朝と毎日の夕方にアンケート調査に答えてもらいました。「目がつらい」「二重に見える」「ぎらぎら見える」「ピントが合わない」など、目の疲れの症状に関する14項目を用意し、自覚症状をそれぞれ5段階の数値で回答してもらいました。さらに、同じ方々に今度は4日間JINS PCを装着せずに仕事をしてもらい、同様のアンケート調査に答えてもらいました。

 いくつかの切り口で分析を行いましたが、毎日夕方に行ったアンケート調査の結果の分析と、初日の朝と最終日の夕方に行ったアンケート調査の比較分析の2種類に分けられます。前者は約120人分、後者は約60人分の有効回答が得られており、十分な母体数が確保できています。

──どのような分析結果が得られたのでしょうか?

井手先生 特に顕著な傾向が表れたのが、初日の朝と最終日の夕方に行ったアンケート調査の結果を比較分析したものでした。

 JINS PCを装着して4日間仕事をしたグループでは、14項目中12項目ではっきりと低いスコア、つまり症状の緩和の傾向が見られます。逆に、JINS PCを装着していないグループでは、ほぼすべての項目に渡って高いスコアになっています。つまり、JINS PCを装着するのとしないのとでは、統計的に見て明らかな有意差があるということです。

──14あるアンケート項目のうち、特にブルーライトと深い関わりがあるのはどのような項目でしょうか?

井手先生 「ぎらぎら見える」「ピントが合わない」といった項目がそれに当たると思います。先ほども説明したとおり、ブルーライトには像をぼけさせる作用があると考えられます。そのため、ぼけた像に対してピントを合わせるために目に余計な負担が掛かってしまうのです。

 カメラのオートフォーカス機能も、なかなか被写体にピントが合わないと、「ジー、ジー」と音を立てて一生懸命作動しますよね。あれと同じことが、人間の脳や目で行われているとイメージすれば、分かりやすいかもしれません。

JINSPC JINS PC装用/非装用時それぞれにおいて月曜日朝の状態と金曜日夕方の状態を比較した全14項目中、統計的に見ても有意に目への負荷が軽減された5項目。下向きの矢印は改善方向(目への負荷の低減)が確認されたことを意味し、上向きの矢印は、悪化方向(負荷の増加)が確認されたことを意味する

──なるほど。こうしたことに起因する目の疲れが、ほかの項目のスコアにも反映されているのかもしれませんね

井手先生 そうかもしれません。ただ、目の疲れの感じ方には個人差がありますし、ブルーライト以外にも日常生活の疲れや病気など、さまざまな要因が考えられます。したがって、この結果から「PC作業による目の疲れの主原因はブルーライトである」と断定することはできません。

 しかし、これだけ大きな集団を対象にした調査で、このようにはっきりした統計上の有意差が表れたというのは、専門家の立場から見ても非常に興味深い結果だと思います。

大人だけでなく、子どもの目にもJINS PCは必要

──現在JINSでは、JINS PCの度付きモデルを開発中です。このほかにも眼科医として、今後JINS PCに期待する機能はありますか?

井手先生 子ども用モデルは、ぜひ欲しいなと思いますね。実はブルーライトは、大人より子どもへの影響の方が大きいのです。大人の目は、加齢とともに水晶体がにごり、黄色っぽくなってくるので、自然の青色光フィルターが出来上がってきます。いわゆる白内障ですね。

 でも、子どもの目の水晶体はまだ透明なので、大人の目より青い光を透過させやすいのです。だから、子どもにこそJINS PCのような保護メガネが必要なのです。

──最近では、子どももPCやスマートフォンを使う機会が増えてきていますからね

井手先生 青い光の強さに応じて自動的にレンズの色が変わって、ブルーライトの透過率を一定に保てるような機能があると便利だと思いますね。すでに、似たような機能を持つ調光レンズは実用化されていますから、それと同じようなことがJINS PCで実現されたら素晴らしいと思います。現時点ではまだ技術的に難しいのかもしれませんが、いつかはそうした商品が登場してくることを期待しています。

井手武医師 専門的なことがらを分かりやすく笑顔で説明する井手先生

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アイティメディア営業企画/制作:誠 Style 編集部/掲載内容有効期限:2012年1月31日