リッター35.4キロを実現、トヨタのハイブリッドコンパクトカー「アクア」

» 2011年12月26日 18時50分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

 キーワードは「Made in TOHOKU」――トヨタ自動車が12月26日に開催したハイブリッドコンパクトカー「アクア」の記者発表会は、同車の生産拠点である関東自動車工業 岩手工場からの生中継も差し込みながらのイベントとなった。記者発表直後に、岩手工場の第2ラインからアクアがロールアウトするという演出だ。3パターン作成したテレビCMのうち「ラインオフ式篇」と題したものは、アクアが「復興の星」と呼ばれていたことを強調する。

アクア 東京ミッドタウンの正面に展示された「アクア」(画像をクリックすると拡大します)
アクアアクア 岩手工場と二元中継でお披露目された(画像をクリックすると拡大します)

 搭載するハイブリッドシステムは、1.5リッターアトキンソンサイクルエンジンとモーター、ニッケル水素バッテリーを組み合わせる新開発のリダクション機構付きTHS II(TOYOTA Hybrid System II)。1.8リッターエンジンを搭載するプリウスのものより42キロの軽量化(エンジンで16.5キロ減、トランスアクスルで8キロ減、バッテリーで11キロ減など)だ。また、モーターのみでの走行が可能なEVドライブモードも採用する。燃費は、リッター35.4キロ(JC08モード)を実現した。

 さらに、エンジンやハイブリッドシステムを低く配置する低重心設計や、2550ミリのロングホイールベースにより操縦性能も高め、最小回転半径は4.8メートルと取り回しも容易に。なお、エンジンの最高出力は54キロワット(74馬力)/4800rpm、最大トルクは111ニュートンメートル/3600〜4400rpm、モーターはそれぞれ45キロワット(61馬力)、169ニュートンメートルで、システム全体の最高出力は73キロワット(100馬力)。静止状態から時速100キロまでの加速は10.7秒だ。

アクアアクアアクア (画像をクリックすると拡大します)

 アクアを紹介した小木曽チーフエンジニアによれば、スタイリングのコンセプトは「コンパクトでメリハリのあるエクステリア、アイコニックで毎日を生き生きと楽しめるインテリア」。前席だけでなく、後席にも確保したゆったり感や、容量305リットルのラゲッジルームなどは、同乗者の心地よさを追い求めたもの。ほかのコンパクトカーに比べて低めの全高1445ミリにもかかわらず【※】、後席シートの座面を長く、シートバックの角度を最適化することでヘッドクリアランスに余裕を持たせた。

※(参考) ヴィッツの全高は1500ミリ、フィットハイブリッドは1525ミリ、デミオ SKYACTIVは1475ミリ

 また、ボディカラーは新色のシトラスオレンジマイカメタリック、ライムホワイトパールクリスタルシャインなど全10色展開。内装色もアースブラウン、フレッシュグリーン、クールブルー、ナチュラルグレーの4色を用意する。さらに7種類のオプションパッケージなど、ユーザーに多くの“選ぶ楽しみ”を提供する。

「より多くのユーザーにハイブリッドカーを提供するために、17年間のハイブリッドカーづくりのノウハウや情熱を、妥協せずにつぎ込んだクルマ。アクアはハイブリッドカーの新領域への挑戦であり、未来のスタンダードとなるように、次の10年を見据えて開発した」(小木曽チーフエンジニア)

アクアアクアアクア
アクアアクアアクア
アクアアクアアクア
アクアアクアアクア

 ボディサイズは、3995×1695×1445ミリ(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2550ミリ、車両重量は1080キロ、乗車定員は5人。

アクアのグレードと価格
グレード ハイブリッドシステム 駆動方式 価格
L リダクション機構付きTHS II 2WD(FF) 169万円
S 179万円
G 185万円

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