各国のパイロットや宇宙飛行士のオフィシャルウオッチで馴染みの深いフォルティスが、2012年のブランド100周年を間近に控えた2011年10月、デザイナーのロルフ・ザックスさんとのコラボレーションを行い、ほかに類を見ないユニークな時計を発表した。
ロルフ・ザックスさんは、黒板をダイヤルにデザインした2008年のフォルティスのアートモデル「IQウォッチ」で知られるデザイナー。このモデルは好評を博し、瞬く間に完売したことでも有名だ。
新作の「FRISSON(フリッソン)」は、フランス語で「ひやりとする冷たさ」「身震」「興奮」を意味する。人の五感に訴えるデザインを得意とするロルフ・ザックスさんがデザインした腕時計は、ヘアライン仕上げのステンレススチール製ケースに半透明のシリコンストラップ、ルミナス夜光処理を施した時・分針を持つ3針モデルというスタイルにおいてはシンプルなもの。だが、驚きの仕掛けが施されている。
そのためには、時計に対するある動作が必要。この時計のミネラルガラス製風防には特殊な処理が施されており、ダイヤルと針はまるでヴェールをかぶったようにぼんやりとしか見えない。ところが、息を吹きかけるや否や、時間が見えるようになるのだ。
つまり湿気によりミネラルガラスが透過性を帯びるのだ。デザインウオッチでありながらも20気圧という高い防水性ゆえに安心してこの仕掛けを楽しめるだろう。ダイヤルデザインにおいては、インデックスやフォルティスのロゴマークまでもすべて手描きにこだわり、日付表示の赤い印にもこのデザイナーならではの遊び心を感じさせる。
「私は今度の時計は今までとは異なる好奇心をそそるようなものにしたかったのです。まず、ダイヤルデザインではインデックスをありきたりな活字の変わりに、細い線を使った手描きにしました。そして、フロスト加工の風防は驚きの要素を持っています。まるで、今まさに冷凍庫から出したばかりの冷えたウオッカグラスが氷結しているようです。この時計を身につける人は、時間を読み取るためには風防に対してある動作をしなければなりません。濡れた手で風防を拭うか、風防に息を吹きかける……、そうするとたちまち文字盤は時間を読み取ることができるようになるのです!」(ロルフ・ザックスさん)
スイス、ローザンヌ生まれ。ロンドン大学LSE校で数学を学び、アメリカのメンロー経営大学で経営管理の理学士号を取得。ダダイズムの精神を継承するロルフ・ザックスのデザインはグラフィック色が強く、かつ人の五感に訴えるデザインを得意とする。家具や照明、オブジェ制作で国際的に有名なデザイナーとして知られており、世界中のギャラリーや美術館など広範囲にわたり展覧会を開催している。
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