映画『桜蘭高校ホスト部』のイケメン双子とFacebookの幸せな出会い

» 2011年12月05日 08時00分 公開
[櫻井輪子,Business Media 誠]

 2011年夏、ドラマ化された人気少女漫画『桜蘭高校ホスト部』。アニメ化もされた人気のコンテンツだ。超セレブが通う桜蘭(おうらん)高校に奨学生として通う普通の女のコ、藤岡ハルヒは、なぜかその高校のイケメンが集まっている「ホスト部」でホストをやるハメに……という漫画特有のぶっ飛んだ設定の中に、笑いと涙、友情と恋などなどを盛り込んだストーリーが若い女性を中心に人気となった。

 2012年春にはソニー・ピクチャーズ配給で実写映画版も公開される。好評だったドラマ版と同じキャストによる映画化はファンを喜ばせたが、キャストにとってもドラマに引き続きやりがいのある仕事になったようだ。

 そのキャストの中でも、異彩を放つ瓜二つの“妖しい”双子、常陸院ブラザースを演じる高木万平、高木心平兄弟に映画版の見どころを聞いた。

高木兄弟 高木万平さん(左)と高木心平さん

「禁断の兄弟愛」にチャレンジし、その芝居をものにする

 「主人公の環を筆頭にホスト部の皆が一所懸命バカなことをやるところとか、一丸となって1つのことに立ち向かう姿は、観客の皆さんにもいろいろ感じていただけるんじゃないかと思いますね」「豪華なセットや一段とスケールアップしたコスプレ衣装も見どころです」「常陸院兄弟の、お互いを思う気持ちと恋の間で葛藤する姿にも注目してください」「原作者の葉鳥ビスコさんからもお墨付きをいただきました」と口々に語る高木兄弟、本当にそっくりだ。

 「撮影を通じてますます似てきたみたいです。役柄としてお互い似せることを追求していったので、クランクインのときよりクランクアップのときのほうが似てるって言われました」と、心平さん(いや、万平さんだったでしょうか)。

 2人が演じる常陸院ブラザースは、ホスト部の中で「禁断の兄弟愛」を売りにしているため、高木兄弟はそういうシーンにもチャレンジしなくてはならなかった。

「最初はすっごく抵抗ありましたよ、兄弟でいちゃつくことなんてありませんから」

 兄弟同士で顔を近づけるのも気持ち悪くて嫌だったという2人だが、努力の末にその芝居を「ものにした」という。「お互いが相手じゃなかったらこんなに抵抗はなかったと思う」という高木兄弟、そういう話を期待する向きには残念なお知らせだが、実は硬派なのである。

高木兄弟 「最初はすっごく抵抗ありましたよ」という当時の様子を再現

Facebookでポーランドからファンが駆けつけた

高木兄弟 高木万平・高木心平 公式ページ

「今は女子高生とか若い女性からは認知されてるんですけど、もっと年齢層の上の人からも、こいつらイケメンだけじゃないんだ、芝居も出来るんだなって思わせたいですね」

 高木兄弟は他のタレントと同様にブログやモバイルサイトなど、それぞれファンと交流するツールをいくつか持っているが、最近、さらに兄弟でFacebookページ「高木万平・高木心平 公式ページ」を立ち上げた。

「Facebookをやりませんかって話をいただいて、でもFacebookってよく知らないし……。難しそうだな〜、ブログも抵抗あったくらいなのにFacebook?!って感じで」「でも話し合いの当日に説明されて、始めたらものの10分で理解して、『なんだ! こんな簡単なんですか?』って、パッと入れました。ブログよりもずっと手軽ですね」

 Facebook導入に躊躇しているおじさんが聞いたらちょっと凹むようなコメントが次々に飛び出す。

 「ブログは日本のファンだけに向けたものでしたけど、Facebookは海外からの反響があって、海外のファンも増えました」と、さっそくワールドワイドなFacebookならではの手ごたえを感じている高木兄弟。名古屋で行われたイベントに、ポーランドからファンが駆けつけたこともあったとか。

 「Facebookに、ポーランドからイベントのチケットを入手するにはどうしたらいいかという書き込みがあって、(Facebookページの)サポートの方のご厚意でチケットを届けていただけたんです。そうしたら当日、いらしてたんですよ、そのポーランドのファンが!」とマネージャーさん。

 「Facebookがあったからこそ、海外のファンが名古屋まで来てくれた。なんで今までやってなかったんだろう? ていうくらいFacebookには感謝してます。何より楽しいし、気軽に更新できるのもいい。スマートフォンから更新したら、すぐに反応が返ってくるんです」というのは万平さん。

 「更新が楽だからリアルタイムでやってる仕事の情報も投稿しやすいし、プライベートな面も気軽に出せる。ぼくたち2人で同時に記事をあげてどっちが好きか、イイネ対決っていうのをやったんですけど、そういうファンと触れあう企画もやりやすいんです」と心平さん。

 2人とも新しいツールを使ってファンとのコミュニケーションを楽しんでいるようだ。

高木兄弟

1人の人間として他人を魅了できるような役者になりたい

 若い女性には認知度抜群の高木兄弟、今後は年齢層が上の男性にも認められるような仕事がしたいという。「若いし、ガキだと思う人もいると思う。でも役者として熱いものを持っているので、いつか大人の方々にも認められるようないい仕事をして、高木心平いいな、と思わせますよ」(心平さん)。

 誇りを持って自分の仕事をしている人の本を読んでその考え方に触れるのが好きだという万平さんは「井上雄彦さん(漫画家)とか、いい仕事をしてる人は質問に対する答え方、生き方が自分とは全然違う。そういう、1人の人間として他人を魅了できるような人間になりたいですね」。

 そんな熱い2人に今後仕事をしたい監督は誰か聞くと、実写版『忍たま乱太郎』や『一命』の監督を務めた三池崇史さんの名前を挙げる。幅広い作品を手がける三池監督は、噂によると『桜蘭高校ホスト部』のファンでもあるそうだ。

「三池さんみたいな監督にもっともまれないとダメだと思うんですよ、俺ら。ああいう人にもっともまれてもまれて、30歳を超えたときにしぶい人になりたいなと思うんです」

 役者としてもっと成長したいと望んでいる2人に、Facebookを通じて三池監督とつながるということもそう遠くない日に実現しそうですねと聞くと、「実現したらたぶん、前日寝られないです」と苦笑する。

 高木万平さんはお気に入りの黒、心平さんは赤で決め、女子向けのイケメン役者から脱皮しようとしている。高木万平&高木心平兄弟の今後に注目していきたい。

高木兄弟 予定時間を越えても「なりたい役者像」を熱く、ときにお茶目に語ってくれた2人

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