日本映画でアクションが得意な女優、誰がいるの?映画ウラ事情

» 2011年11月01日 17時22分 公開
[安保有希子,ハリウッドチャンネル]
クランクイン!

「映画ウラ事情」とは:

映画専門サイト「ハリウッドチャンネル」で連載中の、映画業界のウラ側や疑問を読み解く納得のコラム(※この記事は、ハリウッドチャンネルより転載しています)。


 10月22日に広島で先行公開されたアクション映画「サルベージ・マイス」。主役を飾るのが、アクション初挑戦の谷村美月、そして、劇中で彼女の良きパートナーとなるのが、空手歴10年以上の現役女子高生、長野じゅりあだ。

ハリウッド 演技派・谷村美月、「サルベージ・マイス」で初アクション! (C)2011「サルベージ・マイス」製作委員会

 谷村は初めてのアクションながら数人の男相手に激しい肉弾戦を繰り広げ、相棒の長野は、映画初出演にもかかわらず、さすがの空手技を披露。今後を担うアクションスターの素質が垣間見えた気がする。

 では、ほかにアクションを得意とする女優として、どのような人物がいるのだろうか。関係者に聞いてみた。

「現役の女優さんで名前を挙げるとすれば、『恋人はスナイパー』や『ハード・リベンジ、ミリー』の水野美紀、『SP』シリーズの真木よう子、ドラマ『ジウ 警視庁特殊犯捜査係』の黒木メイサなどが、アクションを得意としているのではないでしょうか」

 ただ――と、前述の関係者は続ける。

「映画の製作資金が少ない日本では、何かとお金がかかってしまうアクション映画はほとんど作られず、制作されたとしても、『SP』や『クローズZERO』『海猿』に代表されるように、男性が主人公の場合が多いんです。そのため、アクションが得意だからといって、マイナスにはなりませんが、さほどのプラスにもならない。主役もはれませんからね。それだったら、別のことを得意とするほうがいい」

 しかし、ハリウッドには、「ソルト」のアンジェリーナ・ジョリー、「バイオハザード」シリーズのミラ・ジョヴォヴィッチ、「キル・ビル」のユマ・サーマン、「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセール、「ロング・キス・グッドナイト」のジーナ・デイヴィス、「チャーリーズ・エンジェル」シリーズのキャメロン・ディアスなど、女性主演のアクション映画やアクションを得意とする女優は多い。アクションができれば、そこに食い込めるのでは?

「確かに、アクションができれば、ハリウッドだけに限らず、イギリスやドイツ、香港、タイなど、さまざまな国の作品に出演できる可能性は高くなる。そういう意味では、日本を代表するアクションスターというポジションに最も近いのが、『KG カラテガール』『ハイキック・ガール!』の武田梨奈だと思います。彼女自身がアクションスターになることを望み、世界視野で活動をしていますから。しかし、語学力や演技力のほかにも多く能力が必要となり、アクションの種類は豊富。相当厳しい道のりでしょうね」

 日本でトップになることも大変なのだから、世界のトップレベルに加わるというのは、かなり難しいことだろう。でも、せっかく目指しているのだから、まずは日本を代表するアクションスター武田梨奈、がんばれ!!

映画ライター:安保有希子

1975年生まれ。夕刊フジ、日経エンタテインメント、DVDレビューなど、新聞・雑誌で執筆する傍ら、ラジオで映画コメンテーターを務める。ジャンルを問わず映画を鑑賞するが、好んで足を運ぶのは、B級とホラーとアニメ。そのため、オタクと勘違いされやすいものの、決してそうではない、と頑なに言い張っている。


Copyright© 2014 HOLLYWOOD CHANNEL INC. All Rights Reserved.