JINS PCは効果があるのか? 編集者が使っている液晶モニターで「ブルーライト」を計測してみた(1/3 ページ)

» 2011年10月28日 14時20分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

 最近話題のPC作業用メガネ。LEDモニターが比較的高いエネルギーを持つブルーライトを多く出すという発光特性に焦点を当て、それをカットするというものだ。誠 Styleでもたびたび取り上げているジェイアイエヌの「JINS PC」のほかにも、競合メーカーがぞくぞくとPC作業用メガネを打ち出している。

 ブルーライトとは、可視光線のうち380〜495ナノメーターの波長をもつ光のこと。ブルーライトよりも短い波長(〜380ナノメーター)は、日焼けをしたり殺菌に使われたりする紫外線なのだから、可視光線の中でもブルーライトは強いエネルギーを持つといわれれば納得しなくもない。

 以前、「青い光から目を守る『JINS PC』への疑問をJINSにぶつけてみた」という記事で、JINS PCの機能について紹介した。いくつかの疑問は解消されたが、残っている疑問もあった。

 その記事では「一昔前のブラウン管ディスプレイに比べると、バックライトにLEDを使う液晶ディスプレイは青い光を強く発光している」というJINSの主張を書いたが、実際にどうなのだろう。

JINS ブラウン管ディスプレイとLEDディスプレイの比較

 ということで、今回は筆者自身の身の回りにある液晶モニターをスペクトル分析機で実際に計測してみた。パッと思い浮かぶのは、会社貸与のメインPC「ThinkPad X31」、個人所有の「MacBook Air(2代目、11インチ)」、Android端末「DELL Streak」、携帯電話「AQUOSケータイ SoftBank 923SH」。ThinkPad以外、完全に私物だが実に統一感がない。

JINS 会社貸与のThinkPad以外、筆者の私物だ

 自宅に戻れば、どこにしまったか忘れてしまったニンテンドーDSやプレイステーションポータブル、もっぱら娘(3歳)との「プリキュア視聴モニター」となってしまったソニーの液晶テレビもあるのだが、使用頻度を考えれば今回は除外してもかまわないだろう。

誠 Styleの記事を生み出すIBM ThinkPad X31

 筆者のメインマシンとして、誠 Styleのほぼすべての記事の執筆、編集、公開作業を行っているのが会社貸与のノートPC「IBM ThinkPad X31」。いまどきCPUはシングルコアだし、OSはWindows XPだしとずいぶん老兵だ。

 では、いざ実測。あれ? JINSの資料でもらったような波形じゃないなあ……。

JINS IBM Thinkpad X31(明るさ最大)の計測結果

 計測は、Webブラウザで誠 Styleを開き、その左上にある媒体ロゴを計測ポイントとしている。モニターの明るさを最大にした場合の計測結果をみると、確かに430と480ナノメーターあたりにとんがった波形が出ているが、一番多いのは550ナノメーターあたり。そもそも、X31は2003年製ということもあって液晶がへたっている可能性が高い。計測ソフトが入っているノートPCの液晶モニターに比べると、明るさ最大の状態でも暗く感じる。そういえば、総務から新しいノートPCに乗り換えませんかとメールが来てたっけ、そろそろ寿命なのかもしれない。

 画面の明るさを中ぐらいにしたものと、最小にしたものも計測してみた。縦軸の相対強度は低くなっているものの波形そのものは変わっていない感じだ。

JINSJINS ThinkPad X31の明るさ中ぐらい(左)と明るさ最小(右)。出力は下がっても波形に変わった感じはない

追記

記事公開後、ThinkPad X31のバックライトはLEDではなく、冷陰極管ではないかという指摘をいただいた。@IT MONOist編集部の詳しい人に聞いてみたところ、冷陰極管とは蛍光灯のようなもので、LEDとは違うとのこと。光の波形が異なるのはこれが原因だったようだ。


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