青い光から目を守る「JINS PC」への疑問をJINSにぶつけてみた(1/3 ページ)

» 2011年09月30日 16時07分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

 アイウエアショップ「JINS」が新たに打ち出した機能性アイウエア。目を守ることをテーマに据えた「プロテクトシリーズ」から、PCやスマートフォンなどのディスプレイから出るブルーライトをカットする「JINS PC」が9月30日に発売となった。

 機能性アイウエアという新ジャンルゆえに、視力矯正用のメガネとは何が違うのかという疑問が先にたつ。特にJINS PCは9月30日時点では度付きレンズを展開しておらず、ターゲットはPC作業が多い、視力が“良い”人。JINS PCのレンズはうっすらとした黄色で、色付き度なしレンズを使うという意味ではサングラスのようだが、その機能について説明を聞く限りではどうやら保護メガネに近い。

 発売を前にJINS PCをテーマにしたブロガーズミーティングが開催された。そこで明らかになった「JINS PCに対する疑問」を紹介したい。

JINS PCは何から目を守るというのか?

 JINS PCは「ブルーライト」(380〜495ナノメーターの光)と呼ばれる青色成分の多い光を約55%カットする機能を持つ。PCワーカーによっては1日中ディスプレイを見続け、疲れ目に悩まされている向きも多いことだろう。一昔前のブラウン管ディスプレイに比べると、バックライトにLEDを使う液晶ディスプレイは青い光を強く発光しているという。

JINS ブラウン管ディスプレイとLEDディスプレイの比較

 南青山アイクリニック東京の井出武副医院長によると、可視光線の中でも波長が短い青い光は強いエネルギーを持ち、角膜や水晶体を抜けて網膜まで到達する。欧米の研究では、失明の原因にも挙げられる「黄班変性症」を引き起こす可能性も高いという。

 また、散乱しやすい光でもあるのでボケが生じ、水晶体を調整してピントを合わせる働きをする毛様体筋を疲労させる。「長時間ディスプレイを見続けていると目がチカチカする」という原因の一部はここにある。

 朝、太陽の光を浴びることで目が覚めるように青い光は体内時計をリセットする。そのため、夜間もLEDディスプレイから青い光を浴び続けることで体内時計が狂ってしまい、睡眠障害を引き起こす可能性もあるという。実際に、JINS PCを装着した井出先生は、「むしろ青い光がカットされたことで、昼間でも眠くなってしまった」と笑う。

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