大日本印刷(以下、DNP)は2011年9月28日、腕時計などを製造販売する和工と共同で、電子マネー決済などが行えるFeliCaチップ搭載の腕時計「RISNY(リスニー)」を製品化したことを発表した。電子マネーEdyを搭載した場合の販売想定価格は7000円前後だという(注1)。
DNPは2010年3月にキーホルダー型FeliCaチップ搭載の非接触IC媒体「Smart-Jacket」を発売し、2011年2月には腕に装着したまま手軽に電子マネー決済などが行えるリストバンド型Smart-Jacketを製品化している。今回、こうした過去の実績を生かし、和工と共同でFeliCaチップを搭載した腕時計、RISNYを製品化した。
※注1:会員証、ID証などの用途で使用する場合、搭載するアプリケーションによってFeliCaチップの発行処理内容(データの書き込み内容)が異なるため、価格が変動する。
従来、FeliCaの通信機能は金属による影響を受けるため、金属部品を使う腕時計にFeliCaチップを搭載することが困難であったが、金属の量や厚みなどを調整することによって、FeliCa通信機能を保持することに成功したという。2011年12月に、和工から電子マネーEdyを搭載した製品が発売される予定だ。
RISNYは、電子マネー決済の他、レジャー施設の会員証や入場チケット、職場でのID認証用など、幅広い用途で利用できるという。また、特定のリーダーライターとの互換性を保証するFeliCa性能検定(注2)の認定を取得しているため、FeliCa共通領域サービスの電子マネーEdyやFeliCaポケットなどのアプリケーションを搭載することが可能だ。さらに、オプションで、文字盤やバンドを自由にデザインしたオリジナルの腕時計を作成できるとのこと。
項目 | 仕様 |
---|---|
腕時計バンドの周囲 | 15〜20センチ |
腕時計の重さ | 約32.4グラム |
ICチップサイズ | 約28ミリ角 |
ICチップ | FeliCa4KB(RC-S962)、メモリ容量4096バイト、ユーザーメモリ2464バイト |
周波数 | 13.56MHz |
※注2:FeliCa性能検定とは、FeliCaに対応する製品に共通の通信性能基準を設けて、製品間の互換性を保つためにソニーが実施している検定のこと。
DNPと和工は、スポーツ関連やアパレル業界、アミューズメント業界などを対象に同製品を展開、2015年度までに約5億円の売上を目指すとしている。また今後は、腕時計の外観形状の変更にも対応し、多様なバンドのデザインも展開していく計画だという。
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