“速さ”には何の不満もない「フィアット500TwinAir」岡崎宏司のクルマ DE トリップ(1/3 ページ)

» 2011年04月09日 21時48分 公開
[岡崎宏司,LUXURY TV]
LUXURY TV

著者紹介:岡崎 宏司(オカザキ コウジ)

1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。

※この記事は、LUXURY TVより転載しています。


 2007年のデビュー以来、2代目フィアット500=「Nuova500」は、ヨーロッパをはじめ、多くの市場で高い人気を獲得しています。また、人気の上昇とともに、バリエーションも増え続け、アバルトモデルや、オープントップモデル、さらにはフェラーリとのコラボレーションによる限定モデル「アバルト695トリビュートフェラーリ」まで加わり、人気の上昇度合いはますます強くなっています。

 そんな流れの中で、ついに北米市場への上陸まで決まりました。小粋さでは誰にも負けない、このイタリアンミニが、北米市場で支持されるかどうか、大いに気になります。

 さて、今日、紹介するのは、またまた加えられた新しいバリエーションモデル「TwinAir(ツインエア)」です。ここでいう「ツイン」は2気筒であることを指します。そう、排気量875ccのターボ付き2気筒エンジンが積まれているのです。

TwinAir この水色。何ともいえない心地よさと爽やかさを感じました

 パワー/トルクは85馬力/145ニュートンメートルですから、「1.4リットル並の動力性能」というフィアットの言い分は十分納得できます。そして、2気筒ターボエンジンは、1.2リットル4気筒よりも23%コンパクトで、10%軽量だとされています。

 動弁系には、無段階でバルブタイミングとリフト量を変える「マルチエア」と呼ばれる最新の技術も組み込まれています。2気筒といえば、心配なのは音と振動ですが、これにはバランスシャフトで対応しています。

 試乗車は明るい水色のボディに、ホワイトの内装。爽やかで、小粋で、スタイリッシュな姿には無条件で惹かれました。

TwinAir ファニーフェースですが、安っぽさはありません

 動力性能ですが、静止状態から時速100キロまでの加速は11秒、最高速度は時速173キロですから、これはもう、十分に合格です。実際、走ってみても「速さ」には何の不満もありません。むしろ、3000〜5500rpm辺りの力感ある加速は「かなり気持ちいい!」と思うくらいです。音は少しごろごろ感の混じった野太い音ですが、これもOKです。

TwinAir 後ろ姿もシンプルですが、腰もきれいに張っているし、しっかりした踏ん張り感があります
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