アウディA1に300万円の価値はあるのか?車は乗らなきゃ分からないことだらけ(1/2 ページ)

» 2011年03月05日 17時44分 公開
[popo柿澤,Business Media 誠]
誠ブログ

 アウディディーラーの前を通過すると、ショーウィンドウの一番手前にひときわ小さな車が鎮座していた。「お! A1じゃん」とそのままアウディディーラーに吸い込まれた。

 「車だけ見られればいいや!」という思いでディーラーに入ったのだが、何と試乗車が用意されており、しかも待ち時間なしで乗れるというではないか!! この奇跡的な状況を逃すわけもなく、A1の試乗にありつけたので、インプレッションを書いてみた。

噂どおりのおしゃれなアウディ

 まずは、ディーラー内に展示されているA1をなめ回すように見る。

popo柿澤

 この車の対抗馬は「MINI」や「FIAT500」になると思われるが、筆者が持った第一印象は、MINIやFIAT500は「かわいらしい車」。一方、A1は「おしゃれな車」だ。噂どおりである。

 MINIやFIAT500の内装は、「丸」を基調にデザインされており、メーター回りやエアコンの吹き出し口、FIAT500はシートのヘッドレストに至るまで「丸」を使っている。その結果、女性的なイメージを受ける。外装も、角が取れコロンっと丸みを帯びていてかわいらしい(MINI cooperSは別物だが)。

 しかし、A1は違う。メーターやエアコンの吹き出し口こそ「丸」を基調に女性が好みそうなデザインになっているが、シートはスポーティ感を演出。外装もキリッとしたフェイスを中心に全体的にシャープ。加えて、コントラストルーフがおしゃれ感を演出している。実際見るとライバルであるMINIやFIAT500とあきらかに違う印象を受けるだろう。

popo柿澤

シートが日本人にはちょうど良い!

 試乗車の準備ができたということで早速乗り込む。試乗したのはスポーツパッケージ装着車だ。通常モデルとの大きな違いは、16インチアルミホイール(通常は15インチ)、スポーツサスペンション、専用スポーツシートなど。さらに、この試乗車はスポーツパッケージのオプションで17インチのアルミホイールが装着されている。

 まず、気に入ったのがシート。A3やA4のS-line(アウディのスポーティモデル)専用シートより、幅が若干タイト。しかし、元々ドイツ人体型に合わせた作りとなっているため、A3やA4のS-line専用シートは日本人には幅が広すぎる。横揺れから体を支えるために両脇が張り出したシートも、広すぎて体を支えきれず揺れてしまう。

 しかし、A1のシートは日本人にとってちょうど良い。しっかりと体を支え、ある程度雑に交差点を曲がっても、気にならないくらいしっかりと支えてくれる。車がコンパクトになった恩恵をこんなところで味わうことができた。

小さくても間違いなくアウディだ

 同じプラットフォームを持つフォルクスワーゲンポロのエンジンは1.2リットル。それに対しA1は1.4リットルのエンジンを搭載する。そのこだわりは、走り出してすぐに分かる。アクセルを開けるとグッと力強い加速を見せる。数値でこそ122馬力と1.4リットルターボにしては非力に見えるが、実際に乗ってみると印象が変わる。

 乗り心地も、A3やA4に比べるとホイールベース(前後タイヤとの距離)が短いため、ピョコピョコと跳ねる感覚は残る。ただ、試乗車は17インチホイール装着車のため、通常の15インチや16インチだと、印象が変わるかもしれない。どちらにせよ、とても1.4リットルの小型車とは思えない乗り心地を実現している。

 ハンドルを切り込んでいくと、ノーズが「クイッ」と入り込むみ、同時にほどよいロールをしならが車が向きを変えていく。A3に比べてもかなり軽快な感覚を覚える。やはり約1.2トンという、アウディの中でも軽い車重が大きく影響しているようだ。

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