わこちん(左) 映画好きの絵描き。ディカプリオがアップになってももうそんなにありがたくないなあ、二枚目卒業していい役者になったってことだよね、としみじみ語るオタク。結構突っ込み。
佐々爺(右) 映画好きのオヤジ。こんな砂漠の真ん中でレイフ・ファインズに遭遇するとはっ。どんな映画にも出てるレイフ・ファインズ。あれか? レイフ・ファインズは世界の役所広司なのか? とブツブツいうオヤジ。わりかしボケ。
佐々爺(以下佐々) 今回は「アカデミー? 何それおいしいの?」と思ってたキャサリン・ビグロー監督がアカデミー取っちゃってあらびっくり! な『ハート・ロッカー』と、「アカデミー? うん、普通にほしいよ」でも、縁遠いディカプリオ主演の『シャッターアイランド』対決?
わこちん(以下わこ) いやいや、もうアカデミーの話題はアウトでしょ。でも、今年の授賞はねえ……、一番驚いたのがビグロー監督自身って感じだったよね。「私はいつものように極限状態に置かれた男たちの濃いドラマを撮っただけなのに、やだ何か時流的にオバマの政策にのっかっちゃったみたい? 元夫のキャメロンの『アバター』より全然お金かかってないけど、くれるっていうんならもらっとこ」って感じだったもんね、スピーチとか。
佐々 今年の政治事情がなかったら、キャサリン・ビグローなんてアカデミーとは縁がない監督だよな。低予算で自分好みの男臭〜い映画とってるだけの。ジェームズ・キャメロンはオスカーほしかっただろうけど、残念、いまファンタジーに賞与えてる場合じゃなかった、と(笑)
わこ キャサリンだって、いまこのタイミングで1作前の『K-19』だったら絶対取れない。あっちのほうがハリソン・フォードとか大物役者使ってて大作感あるけど。たまたまこのタイミングでイラクが舞台の映画だったってだけだもんね。イラク派兵からだいぶ経って、映画の題材として使える時期が来てたってのもあるだろうけどさ。
佐々 テロがどうとか、戦争がどうとか自分じゃいっさいいわなかったもんな。とりあえず感謝はするけど、利用されて踊るつもりはありませんよ、という態度が格好良かった。ま、『ハート・ロッカー』は大上段に構えてテロ撲滅とかいいたい映画じゃなくて、もっとパーソナルな印象の映画だからな。
わこ あの映画、テーマは最初にテロップで出る「戦争は時に麻薬である」でしょ。それを爆弾処理のスペシャリスト、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹にフォーカスして描いてる。
佐々 任務を終えて一時帰国したときの日常の風景の中で浮いてる感じがすごい。あの男はもう日常生活では居場所がないんだ、あれはもうある種の病気だよ。
わこ 『シャッターアイランド』のデカプー演じるテディはある種の病気にされちゃう(?)んだけど、どっちがより病気っぽいかでいったら、ジェームズだってそうとうなもんだよね。
佐々 で、どっちのほうがよりビョーキか? って対決なわけだな。
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