第35鉄 真夏日の鉄分補給は涼しいミニ博物館で杉山淳一の+R Style(6/6 ページ)

» 2010年07月23日 11時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]
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帰り道に旨い肉を見つけてしまった

 市電保存館前というバス停があって、ここからJR根岸線の磯子駅に行ける。しかし今日はバス営業所前の滝頭から吉野町へ戻った。来るときは知らなかったけれど、市電保存館で映像資料を観て、この道が元は併用軌道だと知ったからだ。そしてもう1つの理由は、さっき地下鉄の吉野町駅を降りたとき、良さそうな雰囲気のもつ鍋屋『もつしげ』を見つけたから。カウンターの内側に鎮座する大鍋が気になった。

滝頭営業所付近。かつて市電が走った道だ

 店に入り、「塩もつ煮込み」とお任せ串6本を注文。煮込みは大鍋から出てくると思っていたら、大鍋ではスープのみ熟成させているとのこと。もつは煮込みすぎると風味が落ちるので、下処理をした後、最後に大鍋のスープをくぐらせる。なるほど、柔らかくて臭みもなくて、モツの甘みがうまい。お任せ串はハツとツナギとバラと……なんだっけ。野菜串として青くて長い唐辛子。初めて食べた。そして、花咲軟骨という珍しい串も。これは大腿骨に付いている、肉の絡んだ軟骨を叩いたものだそう。肉はどれも脂がのって、甘みと旨味のバランスがいい。シメはじゃこが入った焼きおにぎり。半分はそのまま食べて、残り半分はモツ煮込みの塩スープでお茶漬け風に。これにレモンサワーを合わせて2000円でおつりが来た。

 帰りは地下鉄よりも景色の見える電車が良かろうと、少し足を伸ばして京急の南太田駅へ向かった。そうそう、横浜市電保存館はちょっと不便なせいか無料駐車場もあるのだが、バスで行った方がいい。なぜって、明るい時間に酔っぱらって街を散歩するのは、とても気持ちがいいからだ(笑)。

「もつしげ」の串焼きと塩煮込み。肉の旨味を堪能した
ALT 今回のルート。GoogleMapsで筆者による各ポイントについての説明が読める

今回の電車賃

東急田園都市線 渋谷−宮崎台 210円、東急田園都市線 宮崎台−あざみの 150円、横浜市営地下鉄ブルーライン 350円、市営バス113系統 吉野町−滝頭 210円(均一区間)

電車とバスの博物館 100円、横浜市電保存館 100円。

なお、東急電車とバスの博物館の休館日は毎週月曜(月曜が祝祭日の場合は翌平日)と年末年始(12/29〜1/3)。横浜市電保存館の休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始(12/29〜1/3)。ただし、春休み、夏休み、冬休みは無休


著者プロフィール:杉山淳一

著者近影(2006年5月に閉館した、東京・万世橋の交通博物館にて)

 肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」

 コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。

 趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。


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