第27鉄 運行終了まであと1カ月――さらば、寝台特急「北陸」杉山淳一の +R Style(1/5 ページ)

» 2010年02月15日 20時15分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 2010年3月13日。また1つ日本から寝台列車が消える。上野−金沢間を結ぶブルートレイン「北陸」だ。廃止の理由は「車体の老朽化」とのこと。決して人気がなかったわけではなく、むしろ関東と北陸地方を行き来する人には重宝されていたように思う。

 寝台特急は鉄道ファンや旅マニアのための列車ではない。もっと見直されてもいいはず。いったい「北陸」とは、どんな列車なのだろう。

寝台特急「北陸」。始発駅からは赤い機関車EF81形が引っ張っていく
今回のルート。GoogleMapsで筆者による各ポイントについての説明が読める

金沢発上野行、「北陸」のB寝台個室に乗ってみた

 夜行列車に乗るときや、自由席に並ぶときは入線時刻を確認しよう。入線時刻とは、始発列車がホームに到着する時刻のこと。東京駅や上野駅などの大きな駅では時刻表に記載されているが、地方の駅では掲載されていない。金沢駅の駅員さんによると、「北陸」の入線時刻は21時49分とのこと。発車時刻は22時18分だから、約30分前に乗り込んで、ゆったりした気分で発車時刻を迎えられる。北陸の上り列車の走行時間は8時間しかないので、たっぷり睡眠をとるためにも早めに乗車したい。

 私が予約した寝台は「ソロ」という名の個室B寝台だ。B寝台には昔ながらのカーテン仕切りの2段ベッドもあって(参照記事)、この北陸にも連結されている。ソロは個室といってもカプセルホテルを引き延ばした程度の空間だ。狭いけれど、2段ベッドと同じ料金でプライバシーが保てるので人気がある。扉を閉め、カーテンを閉じれば真っ暗になるのでよく眠れるし、近隣のお客さんのイビキも聞こえない。晩酌のにおいも届かない。

北陸の客車は14系という。ブルートレインブームに活躍した車両だ(左)。ベッドから通路側を見たところ。小さな窓から景色を楽しめる(右)
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