大網からは東金線に乗り換え。東金線は外房線と総武本線を短絡する路線だ。東金市は徳川家康の鷹狩りに使われた「御成街道」の宿場町として起こり、物流の拠点として栄えた。現在は千葉、東京のベッドタウンとしても注目されているという。確かに途中の東金駅の乗降客は多かった。ここからは九十九里浜も近く、都会で働く海好きな人なら、こんな街にマイホームが欲しいかもしれない。
電車は成東駅の0番ホームに着いた。ここで総武線に乗り換える。ほとんどのお客さんたちは東京行きに乗り換えた。改札の外へ向かう人も多い。私を始め銚子方面に行く人は少ない。眠気覚ましにガムやアメが欲しいけれど、売店は改札口の外だった。私は改札から出られぬ身である。悲しい。改札の内側にアイスの自販機があった。冷たさで目は覚めたが、今度は寒くなってきた。温かい缶コーヒーをすすりながら、日なたで銚子行きの電車を待つ。
ここまで、出発から7時間半で277kmを旅した。これは全行程817.2kmの約3割。順調で楽しい旅だった。しかし、このあとに痛恨のミス。そこから学ぶ大回り乗車の真実とは? 次回、完結編をお楽しみに!
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大森駅から130円区間
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。
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