コラム
» 2008年12月10日 11時24分 UPDATE

+D Style 最新シネマ情報:「ミラーズ」

“24”でおなじみキーファー・サザーランドが主演するホラー・サスペンス「ミラーズ」。鏡に潜む邪悪な存在が主人公を襲う。恐怖を演出するため丁寧に作り込まれた美術は見応え十分だ。

[本山由樹子,ITmedia]
photo (C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

 韓国映画「Mirror 鏡の中」(2003年)のハリウッド・リメイク版。鏡を効果的に使って、鏡を境にこちら側の世界とあちら側の世界をパラレルに描いたホラー・サスペンスだ。

 同僚を誤って射殺してしまい、停職処分を言い渡されたニューヨーク市警の刑事、ベン(キーファー・サザーランド)はアルコールに溺れる日々を送っていた。今は妹のアパートに居候しているが、別居中の妻の信頼と、2人の子供との生活を取り戻すため、5年前の大火災で大勢の死者を出し、閉鎖されたメイフラワー・デパートの夜警の仕事に就く。

 焼け焦げたデパート内部は、フロアのあちこちに変形したマネキンが転がり、はげ落ちた壁とガラスの破片など、異様な雰囲気が充満していた。保険関係の法的手続きのために当時のまま現場が保存されているのだ。見回りをするベンは、いまなお美しい輝きを保つ巨大な鏡を発見する。そして「鏡に近づくな」という先輩警備員の忠告を無視して、鏡に触れてしまう。すると全身を焼き尽くすような激痛がベンを襲い、鏡には焼けただれた女性の姿が映し出される。あまりにもおぞましい体験から、極度に鏡を恐れるようになったベン。だが、ベンの周囲で奇怪な出来事が続発する。調べてみると、前任の警備員は不審な死を遂げ、デパートの放火犯は家族を殺して自殺していた。やがてベンの家族にも魔の手が迫り来る。

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 廃墟と化したデパート内部の描写は、かなり気持ちが悪い。撮影はルーマニア・ブカレストの科学アカデミーで行われ、邪悪さを表現するため、マネキンのポーズや変形にまで注意が払われたそうだ。美術スタッフの丁寧な仕事ぶりは目を見張るのもがあり、鏡の中の悪霊が主人公たちに迫る恐ろしさは見応えがある。

 メガホンをとったのは、「ハイテンション」「ヒルズ・ハブ・アイズ」などスプラッター映画ならお手の物のフランス人監督、アレクサンドル・アジャ。血みどろの死体などでアジャ監督の持ち味が活かされている。

 主演はご存知、「24‐TWENTY FOUR‐」のキーファー・サザーランド。ここでも驚くほどジャック・バウアーなので、思わず笑ってしまった。すぐにキレて大声は出すわ、拳銃はぶっ放すわ、単独行動で事件を解決しようとするわ、カーチェイスは繰り広げるわ、ムチャクチャ。結局すべてが裏目に出て、周囲の人も巻き込む結果になってしまう。

 結末を含めよくできているので、ホラー&サスペンス好きと、「24」最新シリーズが待ちきれないジャック・バウアーファンにおススメだ。

ミラーズ

監督・脚本:アレクサンドル・アジャ

出演:キーファー・サザーランド、ポーラ・パットン、エイミー・スマート

配給:20世紀フォックス映画

2008年12月26日より全国ロードショー



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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