Boot Camp 1.1βはどこまで鍛えられたのかアップルの新兵訓練所を訪問(1/3 ページ)

» 2006年09月14日 08時00分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]

まずはBoot Camp 1.1βを起動してみる

 Intel製CPU搭載のMacでWindows XPの起動を可能にするApple Computer純正のソフトウェア「Boot Camp」がバージョン1.1βになった。まだまだβ版ではあるが、いくつかの改良が施されている。1.83GHzのIntel Core Duo搭載17インチiMac(MA199J/A)にインストールしてみた。

 今回初めてBoot Campを使う場合、作業の流れは最初のバージョン1.0βのときとまったく同じだ。詳しくはこちらの記事を見て欲しい。ただし、1.1βでは以下の点が改良されている。

・Windows用パーティションサイズにプリセットがついた

1.1βでは32Gバイトのプリセットが用意された

 Boot Campをインストールするためには、内蔵HDDが単一パーティションになるようにフォーマットされている必要がある(実はわたしはここでつまずいた。詳しくは後述する)。「Boot Campアシスタント」では、ここでMac OS Xの内容を残したままWindows用パーティションを作成するのだ。このパーティションのサイズはデフォルトで5Gバイトなのだけれど、さらに「均等に分割」「32GBを使用」のプリセットがついた。これ以外のサイズにしたいときには、ウィンドウ内の分割線を左右にドラッグすればよい。

 なお、「32GB」というのは、WindowsパーティションをFAT32でフォーマットできる最大のサイズだ。Windows XPのインストール時にフォーマットはFAT32かNTFSかを選ぶのだけれど、Boot Campとしてはどちらでもかまわない。Mac OS Xで起動したときにも、どちらのパーティション内容を見ることが可能だ。ただFAT32の場合は読み書きOKなのに対し、NTFSの場合にはリードオンリーになってしまう。これは現在のMac OS Xの制限だ。

・Windows用ドライバを光ディスク以外に保存できるようになった

Windows環境で必要なドライバをHDD/USBメモリなどに作成できるようになった

 Windows XPをインストールしたあとに、Intel Macのハードウェア依存のドライバをインストールする必要がある。旧バージョンでは、このドライバのためにCD-Rを1枚焼く必要があった。これが1.1βでは「Macintosh ドライバをフォルダに保存」できるようになった(*1)。念のために強調するけれど、この保存先はFAT/FAT32/NTFSフォーマットのボリュームを選ぶこと。あとでWindowsで読まなくてはいけないのだ。USBメモリなどを使うのがいいだろう。ちなみに、容量は200Mバイト強なので、USBメモリならば256Mバイトあれば問題ない。

 ドキュメントによれば、これ以外の改良点に「最新のIntel ベースのMacintosh コンピュータに対応します」「Windows XP をどのような内蔵ディスクにもインストールできます(任意のHDDにインストール可能)」というのもあるのだけれど、これはMac Pro向けの機能だ。もしMac Proをいじる機会があったら試してみよう。

 インストールに関しては、このほかの改良点はないようだ。外付けHDDにはインストールできないし、Macintoshの日本語キーボードに「半角/全角」キーはないので、Windowsインストール時のキーボード選択画面で悩まなきゃいけないのも一緒だ(キーボードのセットアップ時に「S」キーを押して「106 Japanese Keyboard(Including USB)」を選択する)。

ドライバの導入はスムーズに……いく、はずだったのに

 ここからは、ケース別にBoot Camp 1.1βの導入方法を見ていこう。

旧バージョンのBoot Campからアップデート

 これまでBoot Campを使っていた人の場合は、パーティションの切り直しやWindowsの再インストールといった作業は不用だ。必要なのは「Macintosh ドライバ」のアップデートだけだ。「Boot Camp アシスタント」で、ドライバをCD-Rに焼くかUSBメモリなどに保存するかしよう。

新規にWindowsをインストールする

 新規にBoot Campをインストールなら、Windows XPのインストールがすべて終わってから「Macintosh ドライバ」をインストールする。CD-Rに焼いたならAutoRunでインストーラが起動するし、USBメモリなどに入れたならば「Macintosh Drivers」フォルダ内の「Install Macintosh Drivers for Windows XP.exe」を実行しよう。

 ドライバのインストール途中で「Windowsロゴテストに合格していません」の警告が何度も出るけれど、このあたりがβ版のβ版たるところだ。「続行」を押して続けよう。インストール終了後、Windowsが再起動してBoot Camp 1.1β環境の完成だ。

Macintosh Driversのファイル構成(画面=左)。Windows用ドライバを導入中に表示される警告ダイアログ(画面=右)

*1「Macintosh ドライバ」というのがちょっとわかりにくいけれど、これは「Macintoshというハードウェア用のWindowsのドライバ」の意味。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー