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ネット広告市場が1.5倍に、従来媒体は微減 電通調査

» 2006年02月21日 18時31分 公開
[ITmedia]

 電通がこのほどまとめた2005年の広告費調査によると、インターネット広告が前年比54.8%増と高い伸びを示した。総広告費に占めるシェアは、同1.6ポイント増の4.7%。総広告費は同1.8%増の5兆9625億円だったが、テレビや新聞などマスコミ4媒体の広告費は微減した。

 ネット広告費は2808億円で、うち検索連動広告が590億円、モバイル広告が288億円。ブロードバンド回線の普及でデータサイズの大きなバナー広告の販売が伸び、広告単価が上がったことや、無料動画配信サービスによる動画CM市場の拡大、検索連動広告の定着などが寄与した。

 テレビ、ラジオ、新聞、雑誌のマスコミ4媒体広告費は、前年比0.7%減。テレビは同0.1%減(2兆411億円)、ラジオは同0.9%減(1778億円)、新聞は同1.7%減(1兆377億円)、雑誌は同0.6%減(3945億円)と、全媒体で微減した。雑誌は、PCやネット関連で休刊が目立った。

 マスコミ4媒体への広告出稿業種別では、「家電・AV機器」が同7.1%増加。携帯音楽プレーヤーや液晶テレビの出稿が伸びた。デジタルカメラの広告が落ち込んだ「精密機器・事務機器」は、同18.4%減っている。

 それ以外の分野では、CATVがトリプルプレイニーズに支えられて加入世帯数を伸ばし、広告費も同4%増えた。BS放送も、薄型テレビ普及で試聴可能世帯が増え、新規出稿を集めて同19.8%増だった。

 今年の総広告費は、景気回復やサッカーワールドカップ効果などで前年比2.1%増の6兆883億円となる見込み。マスコミ4媒体は同0.8%増える見通しで、それ以外の分野は、ネット広告がけん引して同4.1%増と予測している。

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