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マニフェストに見る各党のIT政策

» 2005年08月30日 20時58分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 総選挙が8月30日公示された。郵政民営化や年金問題が争点となる一方、各党はIT政策でも違いを打ち出している。マニフェスト(政権公約)でIT関連分野に言及しているのは、自由民主党、公明党、民主党。3党が掲げた公約をまとめた。

- ITを使って行政をスリム化
自民党 IT活用で抜本的な業務改革を行い、内部スタッフ3割以上の削減を目指す
公明党 言及なし
民主党 言及なし

- 電子政府
自民党 電子申請の利用拡大を目指し、2007年度までに登記や国税、社会保険などの手続きを見直す。電子自治体の推進も支援する。
公明党 約5万件の行政手続きをオンライン化する
民主党 言及なし

- 生活、医療のIT化
自民党 「u-Japan政策」にのっとり、「ユビキタスネット社会」を2010年度までに実現。情報家電などをネットワークに接続する。2007年度までに電子カルテ60%以上、電子レセプト70%以上の普及を実現する。
公明党 言及なし
民主党 言及なし

- ITと教育
自民党 2006年度中にすべての公立学校に校内LANを整備
公明党 理数系教育環境を改善するため、初等教育で科学や理数分野に理解の深い教員を増やす。
民主党 言及なし

- IT推進政策の強化
自民党 スーパーコンピュータや宇宙輸送システムなどを「国家基幹技術プロジェクト」として推進。燃料電池、情報家電、ロボット、コンテンツ分野などを、試作品の政府購入などで支援する。ビザ発給時のオンラインシステム「査証WAN」を拡充し、顔情報を活用したIC旅券を導入。指紋情報を活用したバイオメトリクスの開発・導入も行う。
公明党 ロボット、燃料電池など、実用化が近い分野に重点投資する
民主党 情報通信技術、ナノテク、環境・エネルギー技術など先端分野の研究者不足を解消する。研究テーマは長期的視野で選び、予算配分は組織単位から研究者単位に転換。研究開発を客観的に評価する「研究開発評価法」定める。

- “ネット選挙運動”の解禁
自民党 言及なし
公明党 言及なし
民主党 公職選挙法を改正し、Webサイトや電子メール、ブログ、携帯電話などを活用した選挙運動を解禁。電子投票制度の国政選挙への導入も促進する。

- 周波数割り当て問題
自民党 言及なし
公明党 言及なし
民主党 周波数割り当て制度を抜本的に見直し、独立した行政機関として「通信・放送委員会」(日本版FCC)を新設する。

- ウイルス、不正アクセス対策
自民党 情報セキュリティの基盤技術の開発や、専門家の育成を推進。サイバー犯罪条約発効に対応した国内法を整備する。
公明党 言及なし
民主党 言及なし

- 著作権、知財問題
自民党 模倣品や海賊版拡散防止条約を締結し、知財保護を推進。特許審査の速度、精度は世界最高レベルに向上させる。
公明党 言及なし
民主党 模倣品対策や特許権侵害対策、知財紛争処理能力を強化。知的財産権に関する専門家を育成する。公正使用(フェアユース)規定を創設し、クリエイターとユーザーのための知財政策を進める。国会図書館などによるデジタルアーカイブ事業も本格化する。

- 個人情報保護法、住基台帳法
自民党 民間企業の従業員による情報漏えいに対する罰則を整備。住民基本台帳の閲覧は原則、公益目的のみに限定する。
公明党 言及なし
民主党 住基台帳法の住基ネット条項と個人情報保護法の見直しに即時に着手。住基台帳の閲覧者を国と地方公共団体、公益上特に必要と認められる人に制限する「住民基本台帳・大量閲覧制限法案」を成立させる。

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