ソフトバンクの新料金プランは、“予想外”に複雑 (1/2 ページ)

» 2006年10月27日 01時00分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 通話とSMSが0円の「ゴールドプラン」と「予想外割」を発表したソフトバンク(10月23日の記事参照)。26日に追加で発表する、としていた“6つ目の予想外”も明らかになった(10月26日の記事参照)

 孫社長がこれまで携帯料金について繰り返し発していたメッセージは2つある。「携帯電話の料金は高すぎる」「携帯電話の料金は複雑すぎる」というものだ。

 前者については「通話、メール、頭金0円」をアピールすることで、後者は「a社、D社より210円安いオレンジ/ブループラン」「キャンペーン価格2880円のゴールドプラン」というプランで答えているのだと思うが、この料金プラン、見れば見るほど複雑怪奇。「実はxxという例外がある」「このためにはxxを一緒に契約する必要がある」といった但し書きがたくさんあって、全く分かりやすくない。

予想外割の気になるポイントは……

 予想外割の注意点を以下に挙げる。

  1. 「端末0円」と発表しているが、「新スーパーボーナスでは端末の頭金が0円になる」というのが実態
  2. ソフトバンク同士の通話でも、21時〜24時台は定額ではない
  3. メール0円といっても無料なのは、ソフトバンク端末同士のメールだけ
  4. ゴールドプランに入るには「新スーパーボーナス」の契約が必須
  5. 契約時には、「パケットし放題」「スーパー安心パック」「スーパー便利パック」という3つのオプションパックが自動的に付く
  6. 「スーパー安心パック」の契約は、一度解除したら次は半年先まで契約できない
  7. メールやWebアクセスをするには、S!ベーシックパック(315円)の契約が必須
  8. 無料通話分がない
  9. 他キャリアへの通話はむしろ割高
  10. 請求書の郵送は別途105円

 一番分かりにくいのは、4番目の「新スーパーボーナス」だろう。ゴールドプランに入るには、新スーパーボーナスへの加入が必須になっている。新スーパーボーナスとは、ソフトバンクの携帯電話代金を、頭金ゼロ、24回の分割払いで支払う仕組み(12回、18回払いプランも追加予定)。新スーパーボーナスは、ユーザーにとっては頭金ゼロで端末を購入でき、ソフトバンクにとってはユーザーの短期間での機種変更を防げるというメリットがある。

 ソフトバンクは端末代金のうち一定の金額をユーザーの利用料から割り引くため、ユーザーは1つの端末を2年間使い続ければ、最低限のコスト負担で端末を入手できることになる。機種によっては、ユーザーの端末負担代金はゼロになる。半面、ユーザーが途中で契約を解除したり、短い期間で機種変更したり、水没などで携帯を壊してしまった場合には、分割払いの残りの代金を支払う必要が生じる。

 旧「スーパーボーナス」では、ユーザーが頭金を支払う代わりに「分割払いの料金=ソフトバンクによる割引金」となっていたが、新スーパーボーナスでは「分割払いの料金>ソフトバンクによる割引金」となるケースがある。その場合、分割払い料金と割引金の差額は、ユーザーが月々の支払いに上乗せして支払うことになる。なお新旧スーパーボーナスの違いについては、別記事も参照してほしい。

 もう1つ注意したいのが5番目だ。「パケットし放題」は月額1029〜4410円のパケット通信料定額サービス。「スーパー安心パック」は月額498.75円で、修理代金が無料になったり、長期利用に伴いバッテリーがプレゼントされたりするサービス。「スーパー便利パック」は留守番電話や三者通話、割込通話(キャッチホン)などをセットにしたサービスで、3G:月額498.75円/2G:月額399円。3G端末ではアドレス帳をサーバに預かるサービスが付くほか、4人以上でも通話ができる。

 ゴールドプランを契約すると、これらの3つのオプションサービスが自動的に契約される点に注意したい。もちろん、後で解約するのは自由だ。また、パケットし放題は最大2カ月、スーパー安心パックは最大3カ月、スーパー便利パックは最大4カ月が無料期間となっている。

※編集部注……10月26日、ソフトバンクモバイル広報部は「パケットし放題/スーパー安心パック/スーパー便利パック契約は必ずしも必須というわけではない、契約時にオプションを付けないことも可能」とコメントしていましたが、翌27日に「ゴールドプラン契約時に、オプション契約も自動的にオンになる」とコメントを訂正しました。それを受けて、本記事も記事内容を加筆訂正しています。記事初出時と大きく内容が変わってしまったことをお詫びします。

 実は、「6つ目の予想外」が発表になった今も、依然として不明点が残っている。スーパーボーナス契約者に対してゴールドプラン相当の特典はないのか(「と金」というコードネームのプログラムが用意されるそうだが)、割賦が24カ月より短い場合、ユーザーが毎月負担する金額とソフトバンクの割引額がどう変わるか、などだ(10月26日の記事参照)

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