NTTドコモのワンセグ端末は今まで、2006年3月発売の「P901iTV」のみだった。しかし今回、2006年秋冬モデルとして一挙に3機種も新端末を投入する。
パナソニック モバイル製の「P903iTV」もその中の1機種。ドコモ向けの元祖ワンセグ端末、P901iTVに続く2代目としてワンセグ機能を中心に大きく進化を遂げた。本体形状は同社が推す“スイッチスタイル”でも視聴できる、P901iTVの回転2軸型を継承。ディスプレイのみを90度傾けて視聴するスイッチスタイルのほか、通常のケータイスタイル、ディスプレイを裏返して折りたたむスタイルなどの方法で視聴できるようになっている。発売は「年明けから順次投入を予定」(NTTドコモ夏野氏)とし、価格は「P901iTVの初登場時価格と同程度で出荷できるようにしたい」(説明員)という。
P903iTVは高画質・高感度・長時間をテーマとし、ワンセグ機能に特化した特徴機能を多く盛り込むのが大きな特徴だ。
1つ目は「高画質」。映像をきれいに鮮やかに表示する松下電器独自の高画質技術「モバイルPEAKSプロセッサー」を搭載し、記憶色補正(人がきれいだと記憶している色に補正する)/デジタルノイズリダクション/環境光補正(周囲の明るさなどに合わせて映像を補正する)などに対応する、携帯としては大型の2.8インチワイドディスプレイ(WQVGA)を採用する。
2つ目は「高感度」。2006年10月現在で“業界トップクラス”という受信感度を実現するワンセグ受信用アンテナ「合成ダイバーシティ」を実装する。このアンテナは2系統のアンテナ信号を合成することで、P901iTVと比較し、感度を20%向上させる性能を持つという。
3つ目は「長時間」。P901iTVはワンセグ連続視聴時間で約3時間、本体への録画を約23分行えた。対してP903iTVでは連続視聴時間が約5時間に延び、外部メモリ(microSD)への録画に対応する。iアプリとしてプリインストールする「Gガイド番組表」から録画予約が行え、サポートする2GバイトのmicroSDカード(別売り)に、計算上では最大約640分(10時間40分)録画できる。
カーAVシステムなどへの接続を想定し、ワンセグ映像の外部出力やBluetoothによる音声ワイヤレス出力が行えるAVアウト機能を搭載。RCAケーブルによるAV出力(分岐コネクタが付属する)のようなので、例えば家庭用の大型テレビに出力するには頼りないかもしれないが、7〜8型ワイドクラスのモニターを搭載するカーAVシステム向けとして活用できるなら、かなり便利に使えそうだ。もう1つ、microSDに録画した番組は、同梱するPC用音楽・映像管理ソフト「SD-Jukebox」(の映像管理対応版)を活用することでPCでも再生できるという。
なお、そのほかの基本機能や音楽機能などはP903iに準じる。Bluetoothによるワイヤレス再生に対応し、最長約70時間の音楽再生(SD-Audioの場合)が行える音楽機能。オートフォーカスの有効320万画素νMaicoviconカメラを実装する。
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