携帯3社、増加数はやや鈍化──8月契約者数

» 2006年09月07日 16時07分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 電気通信事業者協会(TCA)は9月7日、8月末時点での携帯電話契約者数を発表。携帯電話の契約数は累計で9350万1900となり、7月末から24万8800増加した。

photo 各キャリアの純増数の推移
グループ名 2006年8月純増数 累計
NTTドコモ 11万3000 5197万6600
au(KDDI) 25万4400 2417万3800
ツーカー −13万4500 206万7900
ボーダフォン 1万6000 1528万3600
累計 24万8800 9350万1900

 8月は各キャリアとも2006年夏モデル投入をおおむね終え、新端末の投入が少ない月だった。ドコモは11万3000、auは25万4400、ボーダフォンは1万6000の純増となったが、7月の純増数と比較すると、各キャリアとも伸び率は鈍化した。ボーナス商戦期が終了し夏休み期間だったこと、そして番号ポータビリティを前にした買い控えなども要因の1つとして考えられる。

 8月に発売された端末には、7月21日発売の「SH702iS」に続くFOMA 702ixシリーズとなる「N702iS」(25日発売)、「P702iD」(31日発売)、「N902iX HIGH-SPEED」(31日発売。以上ドコモ端末)、そしてボーダフォン「804NK」(12日発売)がある。ドコモ端末は投入時期が月末であったため、新端末が純増数に大きく寄与したとは考えにくく、902iSシリーズを始めとする既存のラインアップでは純増数の維持は難しかった。

グループ名 単月シェア 累計シェア
NTTドコモ 45.4% 55.6%
au(KDDI) 102.3% 25.9%
ツーカー −54.1% 2.2%
ボーダフォン 6.1% 16.3%

 ボーダフォンの純増数は、5月の1100から6月の1万6600、7月の2万7400と、純増数も向上している傾向を見せたが、今回は1万6000に落ち着いた。10月1日に控えたソフトバンクブランドへの変更に向け、新ブランドロゴを発表し、同ロゴを配置した新色の端末を投入(2006年8月16日の記事参照)、そのほか店舗のリニューアル(2006年8月26日の記事参照)なども順次行っており、ブランドの認知・浸透を図っている。

photo 各キャリアの単月シェアの推移

高い伸び率を示すボーダフォンの3G化傾向

グループ名 2006年8月純増数(3G) 累計(3G) 3G率
ドコモ 89万3600 2826万1700 54.4%
au(KDDI) 27万6800 2343万2400 97%
ボーダフォン 31万6600 433万5000 28.4%

 ドコモの3G契約(FOMA)は89万3600増の2826万1700となった。7月の53%から1ポイント強ほど増え、3G率は54.4%に達した。

 ボーダフォンの3G契約数も31万6600増の433万5000(3G率は28.4%)となった。番号ポータビリティ手数料の公表と同時(2006年8月31日の記事参照)に、他キャリアから転入する場合は3Gの契約のみとし、2007年度末(2008年3月)にPDCの新規受け付けを終了する予定(2006年8月31日の記事参照)と告知した。ボーダフォンの場合は、直近の携帯販売ランキング上位10位から判断するとPDC端末を購入するユーザーはまだ多いと見受けられるが、3G端末の普及に集中する姿勢が伺える。

着うたフル、GPSなどの機能は機種変更の動機にも

 各キャリア別の各種サービス対応状況は以下の通り。7月末に900万台を突破したauの着うたフル対応端末は今月、さらに約50万増の949万台となった。auの契約者純増数より多い値であることから、着うたフル対応機へ機種変更した既存auユーザーも多かったことが伺える。

グループ名 カメラ ムービー アプリ GPS 着うた Web
NTTドコモ 調査中 非公開 調査中 非公開 非公開 4708万9300
au(KDDI) 2240万 2212万 1973万(BREW) 2021万 2216万(うち着うたフル949万) 2132万8600
ボーダフォン 1332万6400 941万3600 1185万8300 非公開 非公開 1292万8200
※「ムービー」は撮影した動画をメールで送信できる端末を指す。「Web」はボーダフォン2Gは対応機種台数、ドコモとau、ボーダフォン3Gは契約数。ドコモのカメラ付き端末の台数は、ドコモが発表したカメラ付きPDC端末の契約数とFOMAの契約数を合わせた数を表記

ウィルコム、伸び率は鈍化するも依然高い純増数

グループ名 2006年8月純増 累計
ウィルコム 4万8300 419万100
NTTドコモ −2万4800 62万9800
アステルグループ -200 1万4000
累計 2万3300 483万3900

 PHSの契約数は、総計2万3300の増加で累計483万3900に達した。ウィルコムは4万8300の新規ユーザーを獲得し、7月の6万5500増と比較すると鈍化はしたが、依然高い純増数を維持している。ユーザーセグメントの拡大を狙ったW-ZERO3[es]や、ウィルコム端末同士の通話料金を無料とする「ウィルコム定額プラン」向けとなりえる、WX300Kやnico.といったシンプルな音声端末の契約数増加が寄与したと予想される。

 NTTドコモとアステルグループは、それぞれ7月の−2万4700/−100とほぼ同数となる−2万4800/−200の純減となった。

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