進化した骨伝導“受話器”、ドコモの「Sound Leaf」を試すワイヤレスジャパン2006

» 2006年07月19日 21時09分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 NTTドコモのブースは、902iSシリーズや702ixシリーズなど2006年夏モデル実機の展示のほか、FeliCaを利用した認証・セキュリティシステム、キッズケータイ「SA800i」を中心とする子ども向け端末や機能の紹介、そして先日発表された骨伝導レシーバマイク「Sound Leaf」の紹介が行われている。

photo NTTドコモのブース

骨伝導方式+Tコイルも装備する、進化した骨伝導“受話器”

photo 骨伝導レシーバマイク「Sound Leaf」

 「Sound Leaf」は、携帯の10ピン平型イヤフォンマイク端子に接続して使用できる“骨伝導”レシーバマイクだ。骨伝導方式を用いた携帯には、かつて2003年12月に発表されたツーカーの「TS41」が存在したが、Sound Leafはイヤフォンマイク端子を搭載する携帯(本体の端子は平型だが、丸形の端子を備える端末でも変換アダプタにより使用は可能)であれば、おおむねの端末で利用できる“別売りのオプション”として展開する。発売は8月下旬の予定、価格は9700から9800円前後。本体サイズは30(幅)×115(長さ)×26.5(厚さ)ミリ、重量52グラム。使用電源は単4アルカリ電池2本。最大連続通話時間は約25時間。

 骨伝導方式は、音の振動を頭部の骨から聴覚神経に伝えることにより、周囲がさわがしい場所での通話や耳が聞こえずらいユーザーに向く特徴を持つ。また「骨伝導」モードのほか、「テレホンコイル」(Tコイル)向けのモードも用意する。Tコイル付きの補聴器を装着するユーザーも、同機の利用により明瞭な通話が行えるようになることも大きなメリットとなる。Tコイルは電気信号を磁気信号に変換し、補聴器へ送信するための電磁誘導コイル。

 本体の操作は単純明快だ。電源のオン/オフはマイクを内蔵するフリップの開閉で行い、左側面に6デシベルずつ変化する3段階の音量スイッチ(大/中/小)がある。基本はこれだけで使用できる。電池ケース内に、Tコイルモードのオン/オフ切り替えスイッチ(モードをオンにすると、骨伝導とテレホンコイルの双方が動作する)、基本音質設定の切り替えスイッチ(標準/高域強調)が備わる。これらは購入初期以外はおおむね変更することはない設定のため、誤って設定を切り替えてしまわないようにという配慮も込められている。

photophoto

 実際に音を聞いてみると、本機から聞こえる人の声はなるほど聞きやすい。ワイヤレスジャパン2006会場は、他社のデモンストレーションや来場者の声などで非常にざわついた状況だったが、人の声のみが明瞭に耳に入ってくる感じだ。

 さて、Sound Leafはイヤフォン端子に接続する。デモ機はWMA再生対応の音楽ケータイ「F902iS」だったので、試しに音楽データを再生してみよう。

 みごとに“ほぼ声(ボーカル)だけ”の楽曲が聞こえてきた。ギターなど楽器の音はかなり遠くで鳴っているように聞こえる。本機はセラミック圧電素子を駆動体に用いた骨伝導技術を採用したことで、高域の音を抑える仕組みがある。そのため、自分が騒がしい場所にいる場合はもちろん、通話先が騒々しい環境でも同様の効果があるのではないだろうか。

 骨伝導方式レシーバマイクの想定ユーザーには、やはりシニア層がある。ドコモはこの層に向けた「らくらくホン」シリーズなどの端末ももちろん用意し、今後発売する端末には内蔵することも考えているというが、事前に行ったユーザーインタビューで、この固定電話の受話器のように利用できるスタイルが気に入ったという人が多かった。Sound Leafを受話器とし耳に当てたまま、端末を右手に持ってダイヤルなどの操作を行うという固定電話の通話スタイルに慣れたユーザーに特に高い評価を得たことで、このスタイルで発売が決まったという。

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