「シンプル&ラクジュアリー」というのが、「P902iS」のデザインコンセプトだ。シンプルですっきりとした中にも、アクセントのある「ラグジュアリー=豪華さ」を盛り込むという意味だ。
「携帯ではしばしば、シンプルなデザインが高い評価を得る。しかしシンプルすぎると、特徴のない端末になってしまう」。パナソニック モバイルコミュニケーションズの商品企画グループ商品企画第一チーム主事、周防利克氏は、シンプル&ラグジュアリーを目指す理由をそう説明する。
「パナソニック モバイルに聞く『P902iS』」、後編はP902iSのデザイン面に焦点をあてる。
P902iSを見ると、表面はツヤのある質感をしている。しかし側面に目を移すと、波打ったようなラインが施されている。周防氏は、側面にこうした質感を持たせた携帯は珍しいと話す。「これもシンプル&ラグジュアリー。サイドが“ラグジュアリー”だ」
P902iSのデザイナーは、ギリシャ彫刻の「髪の毛のライン」をイメージしてこの流れる線をデザインしたのだという。たしかに、ホワイト×スノーミストを見ていると大理石に彫刻刀で彫ったラインのように見えなくもない。このラインを見せたいために、サイドキーの説明文字は底面側にプリントするなどの工夫もした。
周防氏はこのラインが押しやすさをそこなわず、かつ「思わず触ってしまう」手触りのいいものだとアピールしている。斬新なデザインだけに、アンケート調査で反発するユーザーもいることを確認したが、全体に占める割合は許容できるレベルだったという。
P902iSはレッド、ホワイト、ブラックの3色で販売される。このラインアップもシンプル&ラクジュアリーの思想に立ったものだと周防氏。ホワイトとブラックが“シンプル”で、レッドが“ラグジュアリー”だというわけだ。「レッドは、新しさを目指した。デザイナーは『神社の朱色だ』とコメントしている」。ちなみに、一部ではガンダムに登場する「シャアザク」のような赤だ……と盛り上がる向きもあったとか。
神社という言葉が出たが、P902iSのもう1つの隠し味は“和のテイスト”になっている。「ブラックの側面のラインを見ていると、タンスの木目のようにも見える」。用意されたカスタムジャケットにも木目調のものがあったり、青っぽいカスタムジャケットが浴衣のような色合いになっていたりするのも、そんなテーマから来ているようだ。
P902iSの外見上の特徴になるのは、やはりカスタムジャケットを装着した背面だ。周防氏はカスタムジャケットはいまや“P”の端末のアイデンティティとして評価されている――と話す。
カスタムジャケットの下から7×7ピクセルの“ドットエリア”が光る、というアイデアは「大変好評だった」。P902iSではこの機能を踏襲するとともに、いくつか改善を施している。
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