KDDIが大阪でWiMAXの実験、「ウルトラ3Gとの接続にも成功」

» 2006年02月16日 16時02分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
KDDI副社長の伊藤泰彦氏。モバイルWiMAXについて「すべてがIPに統合されるウルトラ3Gにおいて、重要なコンポーネントの1つ」と挨拶

 KDDIは2月16日、IEEE 802.16eに準拠したモバイルWiMAXの実験システムを開発し、大阪で実証実験を行った。同社が構想するオールIPベースの「ウルトラ3G」ネットワークとの統合にも成功したという。

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 KDDIはモバイルWiMAXを“都市部で3G携帯システムを補完する無線方式”と位置づけている。今回の実験では、実効的な通信速度や基地局間の高速ハンドオーバーなどの性能を評価し、市街地環境で実用化が可能であることを確認した。今後は、複数のアンテナを用いて希望する方向に電波を向ける「アダプティブアレイアンテナ」などの高度化技術も検証する。

 実験ではまた、モバイルWiMAXを「ウルトラ3G」のアクセスシステムの1つとして利用するシステム接続テストも行った。モバイルWiMAXとEV-DOのシームレスハンドオーバーに成功したほか、EV-DO網やIPv6ベースのコアネットワークを「MMD」(MultiMedia Domain)のアプリケーションサーバと接続したという。MMDとは3GPP2で標準化が進められている移動体向けのオールIPマルチメディアプラットフォームで、これを利用することでインターネットと携帯の統合が容易になるとされる。

 「通信システム側は、モバイルWiMAXなどの移動体ネットワークと固定系ネットワークを横断してユーザに最適なアクセスを自動選択できる」(KDDI)。同社はこの統合ネットワークを利用して、映像や音声をやり取りするアプリケーションなど「ウルトラ3G」ならではのサービスを提供できるとうたっている。

モバイルWiMAXとEV-DOでテレビ電話を切り替えるデモ
HDDレコーダーの映像をWIMAXを通じPDAに送るデモ
市街をバスで走行しての基地局ハンドオーバー実演。3カ所の基地局をハンドオーバーしながらバスが走る。基地局のそばでは高い通信速度が得られるが(画面では青で表示)、基地局から離れるにつれ、通信速度が遅くなる(黄色、赤)ことを示すデモ

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