ドコモの新ISPサービス「mopera U」の真意は?(1/2 ページ)

» 2005年04月14日 19時39分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 NTTドコモは4月14日、FOMAユーザー向けISPサービス「mopera U」を6月から開始すると発表した。主にPHS向けサービスとして縮小傾向にある「mopera」のFOMA版サービスとして位置づけられるもので、同社はこれによりFOMAのデータ通信利用を促進する構え。さらに今後の“固定市場への進出”も視野に入れている。

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 ISPとは、ネットワーク上でユーザーの端末をインターネットに接続する仲介業のこと。付加サービスとして、メールアドレスを貸し出す場合も多い。ドコモは従来、moperaというISPサービスを提供していた。

 mopera Uは、同日発表されたPDAフォン「M1000」などと組み合わせて利用することを想定したISPサービス。M1000ではiモードに対応していないため、mopera Uに契約することを前提としている。

 従来の「FOMA+iモード契約」と「M1000+mopera U契約」を比較した場合、いくつかの違いがある。まずM1000+mopera Uのほうは、iモードに接続できない。当然ながら、iモードメールやiアプリも利用できない。

 利用料金もmopera Uのほうが少々高く、「Uスタンダードプラン」の場合で月額525円。メールを利用せず、インターネット接続のみの「Uライトプラン」は月額315円。オプションサービスとして、2つまで追加できる「追加メールアドレス」が1アドレスにつき月額157円、ウイルスチェックサービスが月額157円となる。

 FOMA+iモードと変わらないものもある。FOMAの電波が届くエリアを歩いていれば、メールが届くと自動で受信する……という使い勝手はiモードメールとなんら変わらない。実はドコモはこの点で、少々工夫している。「事業者のサーバにユーザーのメールが届くと、M1000などのモバイル端末に向かってSMSの通知を行う。端末側のアプリがこれによりキックされ、メールサーバにメールをとりにいくという方式。いわば“擬似プッシュ”の配信といえる」(ドコモ説明員)。とはいえユーザーから見れば、自動で受信することに変わりはない。

 mopera Uには、「モバイル端末向けのISP」ならではの工夫も見える。具体的には、インターネット接続時にWeb上の画像などのデータをサーバ側で圧縮する。これにより端末側はクライアントレスで、比較的高速、低パケット料金でWeb閲覧できる。「仕組みとしては、ウィルコムが提供している高速化サービスと同様」(ドコモ説明員)。ほかに、FOMAのWORLD WINGに契約すれば、GPRSを使ったパケット通信の国際ローミングも可能になっている。

M1000ユーザーから見た、mopera Uと他ISPの関係

 M1000を購入すると、基本的には販売店などでmopera Uへの加入を勧められると予想される。しかし、mopera U以外のISPに加入している場合、そのISPのメールアドレスを使うことも可能だ。

 この場合、ユーザーは何を注意すべきなのか。

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