WIN端末203万、3月末には320万契約に

» 2005年01月27日 19時10分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 KDDIは1月27日、第3四半期決算説明会を実施した。小野寺正社長は、au事業の好調さをアピール。2004年も純増シェアトップ(52.2%)を達成し(1月11日の記事参照)、第3四半期は増収増益。1X WIN契約者も着実に増加している。

 「契約者2000万人も視野に入ってきている(1月11日の記事参照)。音声品質向上、EV-DOの展開、サービスカバレッジの拡充に取り組んでいきたい」(小野寺氏)

2004年3月期第3四半期 2005年3月期第3四半期 比較増減
営業収益 2兆1043億2200万 2兆1943億1000万 4.3%増
営業利益 2346億7900万 2424億7600万 3.3%増
経常利益 2211億9700万 2356億3600万 6.5%増
四半期純利益 1234億400万 1541億2300万 24.9%増
第3四半期は第1四半期から第3四半期の計。4月-12月

 2004年12月末時点でのWIN契約者は203万。うち41万は冬に投入した「着うたフル」対応端末のユーザーだ。この好調を受けてKDDIは、2005年3月末時点のWIN契約者数目標を300万から320万に上方修正した。

 WINの普及は、現在のところauの収益にプラスの効果を及ぼす。auのARPU(加入者一人あたりの月間売上高)を見ると、トータルARPUが7190円なのに対して、WIN端末のARPUは1万570円。「WINの比率が増えれば、ARPU改善の余地あり」(小野寺氏)

1Xから1X WINへ機種変更したユーザーのARPU比較。「これまで4500円以上使っていたユーザーのARPUは当然減るが、4500円以下だったユーザーのARPUは増えると思っていた。4500円以上のユーザーは早い時期にWINに変更している。今後は、安い層のユーザーがWINに入ってくるのではないか」(小野寺氏)

 WIN契約者の中で、パケット定額制プラン「ダブル定額」加入者は79%。ただし着うたフル対応端末では85%が加入している。「着うたフルが(ダブル定額の)呼び水になっている。さらに、着うたフル利用者の86%は、ダブル定額の上限金額である4200円まで使っている。「着うたフルで、データARPUの底上げも期待できる」(小野寺氏)状況だ。

WIN拡販により減収へ

 将来に備えたWIN拡販だが、短期的には費用の増加を伴う。KDDIは、2005年3月期通期の業績見通しを修正。売上高を150億円増の2兆9140億円、営業利益を160億円減の2770億円とした。

 理由は、運転中の利用規制によるARPUの減少、WIN拡販、リテンション(顧客の固定化)対策強化による費用増。ARPUの減少はそのまま減収に結びつき、1Xに比べWINはコミッション(販促費、インセンティブ)単価が高い。さらに端末販売台数の増加により、費用がかさむ。

 これらの要因により、営業利益は160億円減少する見込みだ。

原因 当初予想 今回予想
ARPU 7190円 7170円(−20円)
WIN累計稼働 300万 320万(+20万)
販売台数 1130万 1160万(+30万)

 また、カバーエリアの拡充を加速するため、設備投資額も300億円増加し、3400億円とした。

コミッション(販売奨励金、インセンティブ)平均単価。第3四半期は1台当たり3万9000まで上昇したが、通期では3万8000円に戻せるとした

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