イー・アクセスは1月中に、富士通と共同でFDD方式次世代モバイル通信の実証実験を開始すると発表した。1.7GHz帯向けサービスを想定するが、今回は2GHz帯を利用する。イー・アクセスは今後、1.7GHz帯でも実験を行うべく実験局免許申請を進めており、近く単独での実験を実施するという。
これに伴い開かれた記者会見では、同社会長兼CEOの千本倖生氏や、社長兼COOの種野晴夫氏などが出席。モバイル事業について、より詳細な情報を明かした。
今回、気になるのが共同で実験を行う相手が富士通だいうこと。その意味は「たまたま(実験を)やっているというので、参加した」(イー・アクセス)。同社が将来的に本サービスを開始するにあたり、富士通は基地局メーカーの候補となる。
「実験をやることで、富士通が候補としてフェーバラブルになる(好意的になる)のは事実だが、インフラメーカーは、世界10社と話し合って絞り込む」
一方、端末メーカーは「(基地局より)オープンポリシーでいく。開発に時間がかかるため、早く取りかからないといけない。既に選定を始めている」。イー・アクセスは従来、TD-SCDMA(MC)方式の可能性も模索していたが、こちらはメーカーが開発に手間取るという難点があった。W-CDMA/UMTS方式なら、既に開発実績のあるメーカーがいくつかある。これらを中心に検討する考えだ。
会場では併せて、音声端末のほかにユーザーニーズに応じた多様な端末を提供する考えも明かした。イー・アクセスとしては通信モジュールを用意し、これを各端末に挿すことで各種専用端末が利用できるというイメージのようだ。
なお、既存の携帯キャリアは独自のショップを全国に展開している。同様に“イー・アクセスショップ”を設置するのか気になるが、「当初からはショップを展開できない。家電量販店に窓口を持っていき、修理を行うなどしたい」(種野氏)とした。
料金は、依然検討中。ただ、従来のキャリアが設定した料金は高すぎるとの見方で、これより安くする考えだ。
「消費者が不利益をこうむっている。料金が半分になったって、全然不思議ではない」(千本氏)。千本氏は詳細は未定と断りつつも、「CEOとしての勘」でいくとARPUは既存事業者の半分ぐらいを目指さないといけないのでは、ともコメントしていた。
料金体系は、通信では定額を目指す。ただし、種野氏は「音声の定額は難しい」と話す。
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