家電から着メロを鳴らす〜サミーネットが新サービス

» 2004年12月02日 17時19分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 サミーネットワークスは、家電製品から着信メロディを鳴らすことができるシステム「MUPASS」(ミューパス)を発表した。家電メーカーなどに提携を呼びかけ、来春からのサービス開始を目指す。

 同社が開発したチップを家電に組み込むことで、冷蔵庫やポット、カメラといったデバイスをシステムに対応させられる。「無味乾燥なビープ音でなく、好きな曲を鳴らせる」(同社)。ユーザーはまず、携帯の専用アプリに着メロを格納し、そこから赤外線経由で対応家電に転送する。

 価格は未定だが「月額300円で何曲ダウンロード」といった従来サービスのような形態になる見込み。1曲を、複数の家電に使いまわすこともできる。

Photo 携帯から、炊飯ジャーに向けて音源を転送しているところ。ジャーのふたを開けると、音楽が鳴り出す
Photo 写真は、今回のデモ用に用意されたチップ(ボード)。今後はワンチップ化して小型化を図るという

 音源は、着メロ/着うたサイトを運営するサミーネットワークスが携帯サイトを用意して提供する。「プラットフォーム事業だが、現段階でほかのコンテンツプロバイダと協力することは特に考えていない。ただ、メーカーと提携して独自の音源を用意してもいい」(同社)。

 もちろん着信ボイスなどにも対応可能で、将来的にはソフトウェアダウンロード、システムバージョンアップなどにも応用できる。家電を直接ネットワークにつなげるのでなく、携帯を介してネットワークサービスを利用しようという発想だ。

 現時点でクラリオン、三洋電機、セガトイズ、バンダイ、リンナイなど12社とパートナー関係を築いており、各社から対応製品が登場する見込み。チップの価格は、ロット数にもよるが1個数百円レベルで済むという。

独自の赤外線伝送技術を採用

 今回のサービスは、著作権保護の観点からも対策を講じてある。既に、日本音楽著作権協会(JASRAC)の許諾も得ているという。

 具体的には、IrDA(赤外線)の携帯向け規格であるIrMCプロトコル上に、更に上のレイヤーとして独自プロトコル「IrTMusic」を用意。これによってデバイスと双方向通信を行う。

 IrTMusicの実装により、セキュリティチェック機能を実現。転送速度も30センチ以上に長距離化したほか、転送速度を最大115.2Kbpsに高速化することに成功した。

 音源伝送時には、デバイス側からメーカー番号や商品番号を取得することが可能。これにより、アプリを介してセンター側で「どの音楽がどのデバイスにダウンロードされたか管理できる」(同社)。これらネットワークインフラは、サミーネットワークス側が用意するという。

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