10月5日に開幕した「CEATEC JAPAN 2004」会場で、KDDIはRF IDタグリーダーを搭載した携帯を参考出展している。「W11H」をベースにしたもので、Javaアプリを立ち上げてRF IDの読み取りを行う方式。発売時期、価格などは未定。
会場では、RF IDの方式に応じて「パッシブ型」と「アクティブ型」の2方式に対応した端末が用意されている。パッシブ型は2.45GHz帯を使うもので、ユーザーが置いてあるタグを自ら読み取るといった利用を想定したもの。通信距離は「消費電力などを考えると最大3センチ」(説明員)。アクティブ型では300MHz帯を利用し、タグの情報をサービスプラットフォームから携帯に転送する。ユーザーが特定のエリアに近づくと、アクティブタグリーダーにIDが送信されるなどする仕組み。通信距離は10メートル程度。
両方式のリーダーを共有化することは難しいようす。「使っている周波数が全く違うほか、部品に似た部分が少ない。ベンダーが違うという問題もある」。
なお、今回はパッシブ型RF IDタグに日立製作所の「ミューチップ」を利用。アクティブ型のRF IDは独自仕様となっている。
現在、パッシブ型RF IDには「Auto-ID」と「ユビキタスID」などがあるが(2003年10月の記事参照)、ミューチップを採用した関係上ユビキタスIDのほうに対応する(ミューチップはユビキタスIDの認定を受けている)。ほかに、ミューチップが持つ独自IDにも対応しており、切り替えて読み取る方式だという。「将来的には自動切換えできるようにしたい」。
展示されたとおりの方式だと、「リーダーの電源を入れ、アプリを立ち上げ、RF IDの方式を切り替えてから読み取る」ことになる。これは少々手間がかかるように思える。
説明員は、「Javaアプリがネイティブなら立ち上げずにすむが、消費電力を考えるとそうもいかない」と説明。改善すべき部分だとした。ちなみに、W11HをベースにしたためJavaアプリでの開発となったが、BREWアプリのRF IDリーダーにもこれから取り組む予定という。
端末のリリースを考えた場合、RF IDタグを利用したサービスがどう整備されるかも課題になる。「(端末が普及するには)RF IDを使ったいろんなサービスが出てくる必要がある。流通業者などと、一緒に取り組んでいきたい」。
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