携帯電話のテキスト入力を変革する新BlackBerry

» 2004年09月21日 14時11分 公開
[IDG Japan]
IDG

 カナダのResearch In Motion(RIM)の多機能携帯電話「BlackBerry 7100」の新モデルで採用されているテキスト入力システムは、ユーザーによる電子メールとテキストの送信手段に著しい変化をもたらすだろう。欧州向けモデル「7100v」を英国で立ち上げた英Vodafoneはこう語っている。また米国向けにはT-Mobile USAから「7100t」が販売されている。

 新たな入力システム「SureType」は、QWERTY配列型のキーボードをより少ないキー数で実現、これにより従来のBlackberryよりも幅の狭いモデルの提供が可能になったと、Vodafone Groupの上級プロダクトマネジャー、ポール・ストーナッジ氏は説明する。1つのキーに2文字が割り当てられ、ユーザーが入力したい文字が3万5000語の辞書の中から予測表示される。

 米国ユーザーには目新しいこのテクニックは、欧州のSMSユーザーの間で広く好まれ、普及している「T9」入力システムと非常に良く似ている。ストーナッジ氏によれば、「これ(SureType)は(SMSよりも)長い電子メールメッセージの入力に向けたもの」で、新しい単語の学習機能も備える。「この技術の素晴らしい特徴の1つは、企業名や私のような珍しい苗字などをアドレス帳から引き出して予測表示する点にある」と同氏。

 ストーナッジ氏はSureTypeを使って電子メールやテキストメッセージの入力を行っており、QWERTY配列のおかげでほかのシステムよりも速く、簡単に入力できるとしている。ただしSureTypeはBlackberryハードウェアに依存するため、同氏は、この技術がVodafoneの他製品で採用されているT9と競合するとは見ていない。SureTypeが成功した場合、RIMがほかのベンダーにライセンス供与する可能性もあるが、同社の売上の20%がハードウェアで占められていることを考慮すると現実的ではないだろう。

 Vodafoneが英国で7100モデルを独占販売できるのは10月末まで。その後T-Mobileが同国で7100tを販売できるようになる。おそらく携帯電話事業者のO2も、7100モデルの独自バージョンの立ち上げるため交渉するだろう。ストーナッジ氏は、独特のスタイル、そしてVodafoneのアイコンとナビゲーションを備えた7100vは、Vodafone独自のBlackberryだと強調する。「顧客の体験が何もかも、確実にVodafone顧客の体験になるようにしたい」と同氏。

 なお同氏によれば、7100は旧モデル「7230」に取って代わるものではなく、一部には7230モデルの画面の大きさとバッテリー駆動時間が非常に長い点を好むユーザーもいると説明した(IDGのレビューでも7230は高い評価を得ている)。

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