PCから携帯を自動操作〜マイスタ・パッド携帯サイトを開発する上で、最もやっかいなのは“実機を使ったテスト”だ。フレックスファームはPCから同一の操作で100機種におよぶ実機をテストできる「マイスタ・パッド」を開発した。
携帯向けのサイトや携帯を使ったサービスを開発する上で、最もやっかいなのは“実機を使ったテスト”だ。フレックスファームは、携帯電話をPCと接続し、PCから操作できる「マイスタ・パッド」を開発した。
実機をマイスタ・パッドに差し込み、ケーブルをPCにつなぐ。携帯の画面はカメラで撮影され、PCでリアルタイムに見ることができる。文字入力などの操作もPCからリアルタイムで行える
携帯電話のシリアルコネクタとPCをケーブルでつないで、キー入力をエミュレートする仕組み。携帯の画面もカメラで撮影されるため、PCで見ながら操作が可能だ。操作の機種依存部分はソフトウェアで吸収しており、「100機種くらいに対応しているが、操作パネルは1種類で済む」(フレックスファーム)。 さらにマクロを書くことで、自動実行させることもできる。例えば、携帯の待受画面からURLを入力してサイトに接続、ユーザーIDとパスワードを打ってログインし、サービスを一通り試す……こんなことがPC上から試せる。しかも100種類にもおよぶ携帯電話が、ひとつのマクロで試せてしまう。 テストの最中、携帯の画面をキャプチャして画像ファイルとして残してくれるのも特徴だ。「テストの要所、要所でキャプチャが残せる。エラーメッセージなども紙に書く必要がない」
PCの画面にはその時点の携帯電話(実機)の画面と、操作ボタンが表示される。写真右は自動実行させる場合のマクロの例。手で操作した内容を自動記録させることもできる
同社は携帯サイトの開発支援サービス「ケータイ・マイスタ」を提供している。4キャリアの発売済み端末を全機種用意し、実機で携帯サイトやサービスを試せる環境を用意しているのが大きな特徴だ。マイスタ・パッドもケータイ・マイスタの会員向けに用意した。
各会員には個別のテストルームが用意される。数百の携帯の実機のうち一部をならべた、江藤眞知子シニアチーフエンジニア。ドコモもauもJ-フォンもツーカーもFOMAも、すべてがアンテナ3本立つ場所を求めて、社屋まで移転したという。テスト環境には最適な場所だ 「携帯のサイトを作ったら、実機テストをしなくちゃダメだね、という意識が高まってきた」と同社ファウンダーの斎藤徹氏は話す。PC上で動作するエミュレータソフトもあるが、最終的には実機でのテストが必須だ。 サービスを立ち上げてから既に数十社が利用し、「約300%とリピート率が非常に高い」ことが満足度の高さを表す。一般的な企業が携帯のECサイト構築に当たって利用することが増えたほか、Javaアプリケーションのテスト、着メロ、さらにはディスプレイに2次元バーコードを表示させるテストや、携帯に接続するシリアル機器のメーカーなども同社のサービスを利用していると言う。 ケータイ・マイスタの実機テストは、基本的にはフレックスファーム内で行うが、同社は機種を選定した貸し出しも開始した。「人気機種やトラブルの出そうな機種をセレクトしてセットとして貸し出す」(江藤氏)。 携帯サイトをマーケティングの道具として活用する一般企業が増えているが、機種ごとに細かな仕様が異なる携帯電話の場合、実機テストは避けて通れない。同社のサービスの需要はますます伸びそうだ。
関連記事 フレックスファーム、携帯サイトの開発支援「ケータイ・マイスタ」発表 フレックスファームは、携帯電話向けWebサイトの構築を支援するサイト「ケータイ・マイスタ」を開始した。同社の得意とする機種依存情報を中心に、コンテンツ変換エンジンやパケットコスト削減エンジンなどのミドルウェアの提供、実機テストサービスなども行う。 サイトの機種依存動作を“定期検診”するサービス「ケータイサイト・クリニック」──フレックス・ファーム 携帯電話の仕様が多様化するにつれて、すべての端末で正常に動作するかどうかサイト管理者は不安になるもの。フレックス・ファームはこの確認を代行するビジネスを始める。 関連リンク フレックスファーム [斎藤健二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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