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2003年5月26日　09:23 PM 更新

話題のモバイルビジネスのその後
使われ始めた携帯カメラのQRコード

急成長するモバイルコマース。その核となるのがモバイル決済だ。現在はキャリアの決済が主流だが、ここにきてキャリア以外が提供する新しい決済手法が登場している。「QRコード」と紙媒体を連動させたイーキャッシュのサービスが注目を集めている

　モバイルビジネスが拡大する中、モバイル決済も大きな曲がり角に来ている。モバイル決済と言えば、通信キャリアが公式サイト向けに行う課金決済がメインだったが、ここに来てキャリアでは非公式サイトにも課金決済サービスを開放し始めた。

　しかし高額決済やキャンセル率のリスクが高いチケット販売などのモバイル決済の場合、キャリア提供のサービスでは対応できない部分もある。そんなニーズに答えるべく、あらゆるタイプのモバイルサービスに「決済ソリューション」を提供しているのがイーキャッシュだ。

「物販型決済」と「会費型課金決済」

　モバイル（ブラウザフォン）決済には大きく2つのパターンがある。1つは物販型決済での通販やオークションで、コンサートなどのチケット販売がこれにあたる。もう1つは、デジタルコンテンツや情報サービスなどの会費型課金決済で、セミナーや投資情報など、定期的なデジタル情報やファンクラブなどの会費などが例として挙げられる。

　2002年2月からイーキャッシュは、両パターンでの決済をiモード向けに提供。同年4月にはEZweb、J-フォンでも非公式サイトとしてサービスを開始している。

　イーキャッシュのサービスの特徴は以下の通りだ。

（1）法人同様、個人事業者もカード会社との加盟店契約が不要 （2）イーキャッシュのサーバとキャリアのゲートウェイサーバ間を専用線で接続され、セキュリティが高い （3）クレジットカードはVISA、MasterCard、JCB、ダイナースクラブでの利用が可能 （4）クレジットカードによる高額決済が可能 （5）チケット予約などで、キャンセル防止としてのキャンセル料金の徴収が可能 （6) 決済サービス利用後、ユーザー・店舗側両者に決済通知のメールがリアルタイムに配信される

　物販型決済／会費型課金決済のいずれも初期導入費は2万円。さらに月額利用料3000円と、電文処理料金が1トランザクションごとに10円発生する。売上手数料は物販型決済で7％、会費型課金決済は12％かかり、これらすべてにはクレジットカード会社への手数料も含まれている。

　「お客様（ユーザー）にとって安全で信頼できる決済サービスを広めていくためにカード会社と弊社で、サービス導入を検討して頂く企業様や個人事業者様の事業やサービス内容などを審査し、現在までに約100社にサービスを導入していただいています」と、藤田宗雄社長は話す。

「QRコード」を使った「ゆびコマ」決済ツール

　モバイル市場の成長に伴い、イーキャッシュのモバイル決済サービスも着実に伸びている。それが認知されるにつれて、決済に関わるショッピングサイトの受託依頼も増えてきたという。

　そこで、イーキャッシュではカタログやちらしなどの紙媒体と連動したモバイルコマ−スツールとして、「QRコード（二次元バーコード）」を取り入れた「ゆびコマショップ」という新サービスを始めた。

　「ゆびコマ」サービスは3キャリア対応のモバイルコマースサイト。商品登録をするだけでモバイルコマースサイトが自動生成され、かつ、個別商品のURLに対応した2次元バーコードを生成するモバイルショッピングツールだ。ユーザーは対応するカメラ付き携帯電話で、2次元バーコードを読み取り、表示されるURLをクリックするだけで個別商品の購入ページへダイレクトにアクセスできる。

　「制作物においては、QRコ−ド導入にあたり、印刷物の表示性能も左右されることからトッパン・フォームズと提携しました。既に10数社のカタログ関係の企業様とお話を進めております」（藤田社長） 　 　まだ立ち上がったばかりのサービスとはいえ関心は高く、問い合わせも増えている「ゆびコマ」サービス。バーコードリーダを搭載した携帯電話はまだ少ないが、新タイプの決済手段として先手を打った。今後、対応する携帯電話が増えてくれば、キーになるのはあらゆる印刷物で表示可能な「QRコード」の浸透。リアルビジネスとの連携の新しい手段として注目が期待される。

著者プロフィール 沢 里映：フジサンケイグループ日本工業新聞にて、ITベンチャー社長取材による企業の様々なITビジネスモデルを連載。他、小学館「DIME」、リクルート「アントレ」他でコンシューマ向けITサービスなどの記事も執筆

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[沢 里映, ITmedia]

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