「LEDよりも省エネで明るい」という次世代照明がなかなかブレイクしない理由:窪田順生の時事日想(1/4 ページ)
「CCFL(冷陰極管)」という照明をご存じだろうか。LED照明にも負けない省エネで低価格な製品だが、筆者の窪田氏は爆発的な普及は難しいという。なぜなら……。
窪田順生氏のプロフィール:
1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
ちょっと前、CCFL(冷陰極管)の照明を作っていらっしゃる方たちとお話をする機会があった。
なんじゃそりゃと思う人も多いかもしれないが、「冷陰極管」とはボールペンの芯のように細くて軽いガラス管を用いた照明で、液晶モニターのバックライトをはじめ多くの産業機器に採用されている技術で40年来の歴史がある。
それだけの蓄積のある技術なので当然、さまざまなイノベーションがなされ最近ではLED照明にも負けず劣らず省エネで低価格な「次世代照明」と呼ばれる製品まである。なにが次世代かというとLEDと比較して明らかに優位な部分もあるからだ。
例えば、光の広がりだ。一方向に強い光を放つ発光ダイオードに比べると、CCFLはランプそのものが360度に光を放つためにムラのない明るさを生み出す。
さらに、LEDに比べて低発熱だというのも特徴だ。昨年購入した国内大手メーカーのLED照明がわずか2カ月程度でつかなくなったことがある。メーカーの方にうかがったら、「精密機器なので熱で壊れることもある」と言われてなんだかモヤモヤしたものが残ったが、CCFLはそういう発熱による不具合も少ないらしい。
そんなことを聞くと、みなさんは不思議に思うことだろう。「そんなにいいモノだったら、LED照明のようにもっと世の中にバンバン出回っているはずだろ、そうじゃないということはなにかしら問題があるのではないのか」と。
そのあたりの疑問は、一般社団法人日本CCFL照明普及推進協議会のWebサイト(参照リンク)を見ると解消される。このなかには「なぜCCFLは実用照明として出てこなかったのですか?」という質問に対して、これまでCCFLがなかなか日の目があたらなかった背景を解説している。
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