ミスドとセブンのドーナツ、味はどのくらい違うの? 味覚センサーで分析:仕事をしたら“ドーナツの味”が見えてきた(1/5 ページ)
セブン-イレブンがドーナツ市場に参入する。「形がミスタードーナツとそっくり」といった声がでているが、味もそっくりなのか。「味覚センサー」を使って、セブンとミスドのドーナツを分析してもらったところ……。
コンビニ最大手のセブン-イレブンが、ドーナツ市場に参入する。レジ横に専用のケースを設置して、2015年中に全店舗(約1万7000店)で販売を開始し、2017年2月期には6億個の販売を目指すという。
客の目につきやすいレジ横で販売するのは、いれたてコーヒー「セブンカフェ」との“相性”がいいと判断しているためだ。セブンカフェの販売数は伸びていて、1店舗あたり1日に120杯ほどを販売している(2014年8月時点)。全体では2014年度に6億杯(650億円)の販売を見込んでおり、コーヒー+ドーナツという新たな市場を生み出そうとしているのだ。
ドーナツは東京・大阪・京都などで試験販売されていて、現在は10種類(100〜130円)を扱っている。ダスキンが展開するドーナツ専門店「ミスタードーナツ」の商品と似ているので、消費者からは「形がミスドにそっくり!」「ここまで似ているのは問題なのでは!?」といった指摘があるが、こうした声にセブン側は否定。昨年11月に行われた発表会で、「形が似ているとかさまざまな評価はあると思うが、基本的に独自に開発している」ことを強調した。
では、味はどうなのか。すでにセブンのドーナツを食べた人からは「ミスドのほうがおいしい」「セブンのもなかなか」といった声が出ているが、個人的な味覚によるものではなく、機械的な数字による“違い”を見てみたい。
そこで、どんな食べ物・飲み物でも5つの味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)として数値化できる「味覚センサー」を使って、ミスドとセブンのドーナツの味を分析してもらった。ほとんどの人はドーナツを食べて「これ、甘いなあ」とか「これ、あまり甘くないなあ」といった表現をする。しかし、このセンサーを使えば、同じ「甘い」でもそれぞれ異なっていることが明らかになるのだ。例えば、ミスドの○○ドーナツの甘味は「3.0」だけど、セブンの△△ドーナツは「2.7」といった感じで。
今回分析してもらったのは、ミスドの「ポン・デ・リング」「チョコファッション」「ダブルチョコレート」、セブンの「もちもちスイートリングドーナツ」「チョコオールドファッション」「ダブルチョコドーナツ」の6種類。見た目がよーーく似ているドーナツを分析してもらったが、果たして味もよーーく似ているのだろうか。AISSY株式会社の鈴木隆一さんに話をうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
鈴木隆一さんのプロフィール:
AISSY株式会社代表取締役社長、慶應義塾大学共同研究員(兼務)。慶應義塾大学理工学部卒業、同大大学院理工学研究科修士課程修了。大学在学中よりシステム開発の受託などを行いながらSFC研究所研究員も兼務。大学院修了後、慶応義塾大学から出資を得てAISSY株式会社を設立。味覚や食べ合わせの研究を行い、メディアにも多数出演。通称「味博士」。
最新著書として、『日本人の味覚は世界一』(廣済堂新書)、他にも『味博士のぜったい太らない食べ方』(日本文芸社)『「味覚力」を鍛えれば病気にならない』(講談社)がある。
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