コラム
ぜんぶ妖怪のせい? 正しく使おう「妖怪ウォッチ教育法」:問題の外在化(4/4 ページ)
テレビだけにとどまらず、映画も大ヒットしている『妖怪ウォッチ』。しかし「なんでも妖怪のせいにする」子どもが増えていて、問題視されているのだ。妖怪ウォッチが引き起こした「何でも妖怪のせい」現象を心理学的に解明してみると……。
妖怪のいいところ
妖怪のせいにすることのメリットは責任の所在を明らかにしないことです。私たちは、しばしば、問題が起こったときにその責任は誰にあるのかということばかりに注目してしまう傾向があります。このとき、「人VS. 人」という対立構図になり、結局問題の解決には至らないということに陥りがちです。その結果、問題解決はしていないが、「誰かに」とりあえず謝ってもらうしかなくなるということになってしまいます。
責任の所在は曖昧なままに、とりあえず謝罪というのは根本的な解決策ではありません。かといって「妖怪のせい」にすることも根本的な解決策であるのかというと、それは断言することはできません。しかしながら、人間関係の維持という点では、後者のほうが問題解決には得策なのかもしれません。(宮前良平)
関連記事
- 「妖怪ウォッチ」クロスメディア戦略の功と罪
アニメや漫画だけでなく、ゲームソフトやグッズの売れ行きも好調な、子どもに大人気の「妖怪ウォッチ」。なぜ、妖怪ウォッチはここまでのヒット作となったのか。今回は、ヒットの裏を探ります。 - 「秋葉原に負けない聖地に」――JR高架下に「阿佐ヶ谷アニメストリート」が生まれるワケ
2014年3月29日にオープンする「阿佐ヶ谷アニメストリート」。なぜ阿佐ヶ谷にアニメをテーマにした商店街を作るのだろうか。2人のキーパーソンに聞いた。 - なぜ空洞化でアニメーターが足りないという声が生まれるのか
アニメ業界では「動画が海外にアウトソーシングされると、国内で原画を育てる機会がなくなるので空洞化してアニメーターが足りなくなる」と言われつつも、足元では若手アニメーターがある程度育っている。どうして、そのような懸念が生まれるのだろうか。 - 悪人を倒せば世界が平和になるという映画は作らない――宮崎駿監督、映画哲学を語る(前編)
『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』など数々の映画で、国内外から高い評価を受けている宮崎駿監督。アニメーション界の巨匠が何を思って映画を作っているのか、どんなことを憂いているのかを語った。
関連リンク
Copyright © Credo All rights reserved.