元アナウンサーが考える、“ショーパン番組移籍騒動”の裏側:元局アナの「特ダネ?」(1/2 ページ)
“ショーパン”ことフジテレビの生野陽子アナウンサーが、「めざましテレビ」から夕方の「スーパーニュース」に移籍することが話題となっている。大衆紙の記事では、さまざまな推測が飛び交っているが、彼女が報道方面を志望していたと考えるのが自然だろう。
“ショーパン”のニックネームで親しまれている、フジテレビの生野陽子アナウンサーが、現在出演している「めざましテレビ」から、夕方の「スーパーニュース」に移籍することが話題となっている。大衆紙に掲載された記事には、アナウンス室が“カトパン”こと加藤綾子アナと生野アナ派で真っ二つ、とか、カトパンがショーパンを“追放”――なんてことも書かれているが、本当にそんなことがあったのだろうか?
地方局ではあるが元アナウンサー出身として、これはありえないと考えている。今回は、アナウンサーの立場からこの移籍の裏側を紐解いていこう。
「ショーパンVS.カトパン」が原因ではない
私がいた群馬テレビは、視聴率をそれほど気にしない局だった(もちろん大事ではあるが)。
というのも、ライバルはすべて日本テレビやフジテレビといったキー局で、アリがゾウと対決するようなものだったからだ。しかし、フジテレビは昨今、視聴率低下が大きな問題となっており「振り向けばテレビ東京」などとも言われている。スポンサーの獲得には当然のことながら、視聴率が大きなファクターとなる。テレビ局が“視聴率至上主義”と批判を浴びるゆえんだ。
フジテレビがそのような状況に苦しむ中で、何があったのか。大衆紙ではもっぱら、加藤アナと生野アナの不仲を原因とする記事が出ているが、私の経験で言えば、2人の間にライバル心はあるだろうが、そんなことを気にする余裕はないと思われる。お互い、自分自身のことで精いっぱいだろう。
画面に出ているだけがアナウンサーの仕事ではない。日ごろからさまざまな情報収集をしておかなければ、人々に情報を伝えるアナウンサーとして、ディレクターやプロデューサーから「あいつは使えない」という烙印をすぐに押されてしまう。
アナウンサーはしょせん、人を使う側でなく、使って“いただく”側なのだ。社内タレントとも言ってもいい。私がいた群馬テレビでも、女子アナはツートップ状態だったが、お互いにとても忙しく、いがみ合っている暇などなかった。とにかく、放送局は忙しいのだ。
では、番組移籍の理由は何なのか。私は2つの原因があったと考えている。
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