えっ、前の飛行機を抜いてもいいの? パイロットの知られざる世界:仕事をしたら“空”を飛べた(1/6 ページ)
パイロットといえばエリート中のエリートというイメージがあるが、飛行機を操縦しているときどんなことを考えているのだろうか。JALでボーイング777の機長を務める近藤さんに話を聞いたところ、意外な答えが返ってきた。
飛行機のパイロットといえば、子どもたちにとって憧れの職業のひとつ。パリっとした制服を着て、空港の中を颯爽(さっそう)と歩いている。また、給料は高く、英語はペラペラ。まさに“雲の上”にいるようなエリート中のエリートというイメージがある。
大手エアラインのパイロットの年収は3000万円以上という時代もあったが、いまは違う。「賃金構造基本統計調査」(2011年)によると、パイロットの平均年収は1198万円。それでも普通のサラリーマンからすると、なんともうらやましい数字だ。それなのに、いまや慢性的な人手不足からLCCのピーチ・アビエーションは大規模な欠航に追い込まれた(関連記事)。
パイロットが不足する背景に、何があるのだろうか。ある航空関係者によると、「世界的に航空需要が高まっている。そのため、パイロットの派遣や就職を斡旋する会社を通じて、パイロットの“引き抜き合戦”が行われている」という。パイロットはいわば“売り手市場”のようだが、実際にはどんな仕事をしているのだろうか。「いまの飛行機は性能がいいので、ほとんどが自動操縦。なので、パイロットの仕事はラク」といった声を聞いたことがあるが、本当にそうなのか。
また、キャビンアテンダントとの恋愛は?……といった裏事情も知りたいところ。モテそうな職業なので、そのへんの話も聞きたかったのだが、この媒体はビジネス誌なのでググッと我慢(涙)。「なーんだ、残念」と思った読者もいるかもしれないが、最後までお付き合いいただきたい。快適に飛ぶために、どんな工夫をしているのか。時間通りに到着するために、どんな苦労をしているのか。そのへんの“表”事情をしっかり聞いてきた。
取材当日、悪天候でカミナリがピカピカ光っていたのにもかかわらず、JALでボーイング777の機長を務める近藤卓さんは、何事もなかったかように話してくれた。やはり、大きな飛行機を操縦しているパイロットは、天候がちょっと崩れようが、常に冷静沈着でいられるようだ。聞き手は、カミナリが大の苦手で取材中オロオロしていた、Business Media 誠編集部の土肥義則。
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