世界から「児童ポルノ帝国」と呼ばれるニッポン:伊吹太歩の時事日想(1/4 ページ)
衆議院で可決した「児童買春・ポルノ禁止法」改正案。日本では大きく報じられていないように見えるが、海外では大きな話題になっている。規制が強化された格好だが、海外メディアの反応は厳しい。その内容とは……?
著者プロフィール:伊吹太歩
出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。
世界を見渡すと、物事に対する見方は文化的背景や宗教的背景、民族的背景などでずいぶんと違うなと感じさせられる。日本では当たり前のことが、海外では非常識だったりするのは、グローバル化の進む現代では誰でも一度は体感したことがあると思う。
最近、日本のとあるニュースが世界的に大きく報じられ、そんなことを再確認させられた。日本の“児童ポルノ”だ。英語圏の国々のWeb系ニュースサイトで取り上げられ、話題になっていた。
皆さんは、6月5日に衆議院で「児童買春・ポルノ禁止法」改正案が可決したことをご存じだろうか。児童ポルノについては、販売や制作はすでに禁止されているが、これからは個人が写真や映像を“単純所持”することも禁止になる。だが、アニメやマンガ、そしてCGは児童ポルノ禁止法の規制対象外となった。これは、6月22日まで行われる今期の国会で成立する可能性がある。
このニュースが海外で反響を呼んでいるのだ。日本のメディアではそこまで大きく取り上げられなくても、欧米で大きなニュースになるパターンは意外に多い。そして、そうしたニュースこそが、日本のイメージを世界に植えつけているという事実を忘れてはいけない。
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