インタビュー
なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか:仕事をしたら“アイス”ができた(2)(3/6 ページ)
某コンビニのPB商品がヒットすれば、競合他社が同じような商品を販売する――。コンビニは“真似の歴史”を刻んで、拡大してきたわけだが、真似されないモノもある。そのひとつが、ミニストップのソフトクリーム。その理由は……。
ソフトクリームは売れなかった
土肥: ソフトクリームのブームがきてるし、コンビニで販売したら売れるだろう、と見込んだわけですね。結果、爆発的に売れて、今では看板商品になったわけですね。
山盛: いえ、ハッキリ言って、売れませんでした(涙)。売れない時期が長く続いたので、「もう止めようか……」という話になりました。でも、当時の担当者が「ここであきらめてはいけない。競合他社はどこも販売していないので、ソフトクリームの品質をアップすれば、必ず売れる」と言いました。
そして、1991年に乳原料の配合率をアップさせ、ミルク感の強いバニラにしました。それがものすごく売れて。
土肥: えっ、ということは、最初のソフトクリームは苦戦していたにもかかわらず、10年以上も我慢していたわけですか?
山盛: ソフトクリームをつくる機械は変更しましたが、味を変えたのはこのときが初めてですね。
土肥: 「四半期中に結果を出せ!」という企業が多い中で、よく11年間も我慢しましたね。それにしても、「品質をアップさせて売り続けよう」という決断は大きいですね。繰り返しになりますが、今では「ミニストップ=ソフトクリーム」のイメージが強い。コンビニ業界は大手3社が強い中で、いまミニストップにソフトクリームという武器がなければ、なかなか存在感を示すことができなかったのではないでしょうか。
山盛: でしょうね。
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