「インターネット エクスプローラを使うな」ってどういうこと? ワタシは今どうすべきか:経緯、内容、対策を解説(1/3 ページ)
「え? ワタシも対象?」──米国国土安全保障省が発したマイクロソフトのWebブラウザ「Internet Explorer」利用における警告で、全世界のインターネットユーザーが揺れている。これはつまりどういうことか。具体的に何をすればいいかを解説する。【更新】
「え? ワタシも対象?」──全世界のインターネットユーザーが震えた。
米国国土安全保障省(DHS)傘下でサイバーセキュリティに関する調査を行うUS-CERTが4月28日(米国時間)、マイクロソフトのWebブラウザ「Internet Explorer(インターネット エクスプローラ/IE)」のバージョン6から同11(現最新版)に存在するセキュリティ脆弱(ぜいじゃく)性について報告。「該当する製品を利用しているユーザーに対して対応策を講じる」よう、緊急の注意喚起を行ったためだ。
(2014年5月2日追記)※マイクロソフトより、この脆弱(ぜいじゃく)性を対処したセキュリティ更新プログラムが公開(関連記事)された。
Internet Explorerは、Windows搭載PCのほぼすべてにインストールされ、多くの人が使うWebブラウザ(インターネットのWebサイト表示のためのソフトウェア)だ。PCで利用するデスクトップブラウザのシェアは約60%(調査会社 Net Applications調べ)。2位のGoogle Chrome(約17%)を大きく離しており、それだけ実利用者は膨大だ。例えば前述した「Chromeって何?」と思った一般PC利用者やオフィスユーザーの大半は、Internet Explorerの利用者と思われる。
今回の問題は、2014年4月にサポートを終了したWindows XP時代にリリースされたバージョン6から、Windows 8.1にインストールされる最新版のバージョン11までが対象、つまり、現在稼働する「ほぼすべてのIE」に当てはまることが全世界的な騒動となった理由の1つだ。
このため、一部メディアでは「インターネット エクスプローラを使うな。ハッカー攻撃の危険」と危険性をあおる報道も見受けられる。が、こうした攻撃自体はこれまで過去にも散見されるもので、適切な対応を都度とっていたならば大きな問題に発展する可能性は低い。
ただ、今回は対象となる製品(バージョン)に、つい最近、2014年4月9日(日本時間)にサポートを終えたばかりの「Windows XPとInternet Explorer 6」が含まれていた(関連記事参照)。「ほら出たか。どうするんだ」とばかりに、Microsoftやユーザーが「サポートがすでに終了したOSと今後どう向き合っていくか」の試金石になるとして大きな注目を集めたともいえる。
続いて、米国国土安全保障省が警告した内容の意味をきちんと理解しよう。
関連記事
- MS、IE脆弱性の対策プログラムを緊急公開──Windows XPも対象に
マイクロソフトが、先日発見されたIEの脆弱(ぜいじゃく)性に対処するセキュリティ更新プログラムを緊急公開した。Windows Updateで更新する。一連の騒ぎはひとまず落ち着きそうだ。 - XPユーザーのワタシはどうすれば? MSが説明「最低限お願いしたい4つのこと」
4月9日、Windows XPのサポートが終了した。なぜ終了するの? まだ使っている人はどうなるの?──日本マイクロソフトが経緯と対策方法を説明した。 - そもそもWindows XPはなぜサポートを終了するの? 技術的背景と対策方法を解説
「Windows XPサポート終了」まで残り2カ月となった。まだ使えるのに……という声も多いが、改めて技術的な背景からその理由、影響範囲、対策方法を解説する。 - 「Windows 8」、オフィスではなぜ避けられてしまうのか
「Windows 8アレルギー」はかなり解消できると思います──MicrosoftがPC向けOSのアップデート版「Windows 8.1 Update」を4月9日に公開する。中でも避けられがちな「企業層」へいかにうまく訴求できるか、更新のポイントをおさらいする。 - Windows XPのサポート終了、中小企業の課題は費用捻出より知識不足
2014年4月にサポートが終了するWindows XP。中小企業は新OSへの移行をどの程度進めているのだろうか? また、最新のWindows 8が移行先に選ばれない理由とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.