過去最高、新入社員の50.7%が「定年まで働きたい」
就職した会社で「定年まで働きたい」と思っている新入社員はどのくらいいるのだろうか。この春就職した人に聞いたところ「定年まで働きたい」と答えたのは50.7%。調査を開始した1990年以降、半数を超えたのは初めて。日本能率協会調べ。
あなたは定年まで働きたいと思いますか? この春就職した新入社員に聞いたところ、「はい」と答えたのは50.7%であることが、日本能率協会の調べで分かった。調査を開始した1990年以降、半数を超えたのは初めて。その一方で「年功序列」(42.9%)よりも、「実力・成果主義の会社」(55.1%)を好む人が多い。「定年まで勤めたいが、結果に対する評価はきちんとしてほしいと希望していることがうかがえた」(日本能率協会)
理想の上司・先輩像を聞いたところ「仕事について丁寧な指導をする」(57.7%)と答えた人が最も多かった。次いで「言動が一致している」(37.6%)、「場合によっては叱ってくれる」(31.2%)と続いた。
一方、上司・先輩が考える、新入社員にとって理想の上司像は「言動が一致している」(43.0%)がトップ。次いで「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない」(41.1%)、「部下の意見・要望を傾聴する」(38.45)と続き、「仕事について丁寧な指導をする」(35.8%)は4位にとどまった。
子供が生まれても仕事を続けたい
子供が生まれても仕事を続けたいと思っている人はどのくらいいるのだろうか。女性に聞いたところ「ぜひ続けたい」(38.0%)と「続けられる環境がそろえば、続けたい」(51.8%)を合わせると、9割近くに。
また、共働きで育児をする場合、「ぜひ育児休暇を取得して育児をしたい」(男性28.4%、女性80.0%)、「会社で前例があれば取得したい」(32.5%、10.5%)だった。9割を超える女性が「育児休暇を取得したい」と回答しており、過去最高となった。
「人口減少に伴う労働力不足を解消するためにも女性の活躍が叫ばれているが、保育施設の拡充や企業の支援策といった環境整備がより一層求められるとともに、男性側の意識転換を促す取り組みも欠かせない」(日本能率協会)
この春就職した新入社員1039人と上司・先輩151人が回答した。調査期間は3月26日から4月8日まで。
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