ディズニーはもう単なるブルーレイを発売しない――新形態「MovieNEX」とは何か?(1/3 ページ)
ディズニーが11月20日に発売する『モンスターズ・ユニバーシティ』はDVDやブルーレイといったメディアとスマホやタブレット端末でも視聴可能なデジタルダウンロード権が一体化している。
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンは9月25日、新たな映画パッケージ「MovieNEX」を発表した。これまではブルーレイやDVDなどソフト単品として発売していたが、今後はブルーレイとDVD、デジタルダウンロードを1つのパッケージとして販売する戦略をとる。第1弾としてピクサーの最新作『モンスターズ・ユニバーシティ』を11月20日に発売する。
ブルーレイ+DVD+デジタルダウンロード+専用サイト=「MovieNEX」
MovieNEXとはディズニーが独自に定義するパッケージ商品で、メディアとしてのブルーレイ/DVDだけでなく、iPhone/iPadやAndroid端末で閲覧が可能なデジタルダウンロード権を含めたものを「パッケージ」として用意する。これにより購入者は好きな場所で、好きなメディアを選んでの作品視聴が可能となる。
さらに、パッケージを購入した人には専用サイトを用意し、特別イベントへの参加やゲーム、アプリとの連動、音楽ダウンロードなどのサービスも展開する。映画部門だけでなく、テレビ、音楽、ネット、ディズニーストア、テーマパークなどをもつ、ディズニーならではのコンテンツを提供するという。
動画コンテンツの提供パートナーとしてGoogleとドワンゴが紹介された。ビデオメッセージで登場したドワンゴ取締役、夏野剛氏は「いままではタブレットなどで映画を見ようとするといちいちコピーしなくてはいけなかった。これは消費者にとっては面倒くさい。映画を1つのID、マルチデバイスで見られるのは素晴らしいことで、こういうものを待っていた。ドワンゴとしては全面的にバックアップし、サポートしていきたい」とコメントする。
MovieNEXの第1弾となる『モンスターズ・ユニバーシティ』では、ブルーレイ1枚、ボーナスディスク1枚、DVD1枚の3枚が1パッケージに入っているだけでなく、クラウド対応のデジタルコピー権が含まれる。また専用サイト「MovieNEXクラブ」へのアクセス権も封入されている。
さらにMovieNEXコンテンツとして、抽選で当たるカレンダーやオリジナルグッズのほか、ディズニーストアでの10%オフクーポンが提供され、製作総指揮のジョン・ラセター氏への特別インタビュー動画なども閲覧できる。
今後、1983年に公開された中編『ミッキーのクリスマスキャロル』、『トイ・ストーリー』シリーズ3作品、そして『モンスターズ・インク』を11月20日に、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ4作品を12月18日にリリースする。
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