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侍ジャパンがWBC3連覇できそうもない、いくつかの理由臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(1/3 ページ)

ワールド・ベースボール・クラシック第1次ラウンドを目前として、山本浩二監督率いる日本代表チームが宮崎合宿を張っている。ところが、どうにも3連覇達成は怪しい雲行きなのだ。

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著者プロフィール:臼北信行

日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。


 侍ジャパンが3度目の頂点を目指して歩みを進めている。第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む日本代表チームが2月15日から宮崎合宿をスタート。28人の最終メンバーに絞り込まれたチームは強化試合を経て、いよいよ3月2日開幕の本大会第1次ラウンド(ヤフオクドーム)を迎える。

 彼らに義務付けられているのは言うまでもなく大会3連覇。だが、ここまでの流れを振り返ってみても、その前途は多難と言わざるを得ない。なぜならば、侍ジャパンを巡る動きが首を傾げたくなるようなことばかりで、思わず「本当に勝ちたいのか」とツッコミを入れたくなるほどだからだ。

代表監督は150万円、コーチは50万円で割に合うのか?

 筆頭として挙げられるのが、侍ジャパン首脳陣の超格安な契約条件。これはマスコミで報じられていない話だが、実はNPB(日本野球機構)の取り決めによって今回の日本代表首脳陣の契約額は監督が150万円、コーチが50万円と定められている。日の丸を背負う「名誉職」とはいえ、半年近くも拘束され、多大な重責を担うことを考えれば余りにも格安で驚くべき額だ。

 一方で侍ジャパンの選手たちには一律300万円が支払われる。それだけに首脳陣の間から「選手たちに比べれば、われわれがもらえる金なんてスズメの涙」との声が上がるのも無理はない。

 ちなみにサッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督の年俸は2億円(推定)。この待遇の違いを耳にすれば、侍ジャパンの首脳陣たちはさらにガク然としてしまうはずだ。これだけ低過ぎる契約条件だと、たとえオファーがあったとても二の足を踏んでしまいたくなるのは当然で「ぜひやりたい」と手を挙げる人物はなかなかいないだろう。

 侍ジャパンの首脳陣として期待どおりに代表チームを大会優勝へと導けば、確かに世間からは英雄視され、評価も急上昇する。でも負けてしまえば、即座に“地獄行き”。「A級戦犯」として世間から猛烈なバッシングを浴びせられるのは必至だ。そういうリスクを背負わなければならないことを考えてみても、WBC日本代表監督の150万円、同コーチの50万円という契約額は決して「適正」とは言えない。

 WBC日本代表監督の最有力候補として一時名前が上がっていたソフトバンク・秋山幸二監督が再三に渡る就任要請に一度たりとも首を縦に振らなかった理由は、本業との“二刀流指揮官”に難色を示したことだけではなく、こうした低過ぎる条件面を目にして「侍ジャパンの監督はNPBの中で、こんなに軽いポジションとして扱われているのか……」と思わずガク然としてしまったからとも言われている。

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