非オタク層も巻き込んだ!? 2011年オタク市場は前年比12.5%増
矢野経済研究所のオタク市場に関する調査結果によると、2011年は18分野のうち13分野で市場規模が拡大、前年比12.5%増の8920億円となったことが分かった。特にソーシャルゲーム市場の拡大が、全体をけん引したようだ。
矢野経済研究所は10月15日、オタク市場※に関する調査結果を発表。2011年は18分野のうち13分野で市場規模が拡大、前年比12.5%増の8920億円となったことが分かった。
同研究所では「コアユーザーを確実に取り込みつつ、リーズナブルな商品・サービスを提供することで、エントリーユーザーやライト層、非オタクである一般層を獲得し、堅調に推移している」と分析している。
分野別に見ると、最大市場である「オンラインゲーム」が前年比29.2%増の3868億円と大幅増で市場全体をけん引。ヘビーユーザー向けのコンテンツは頭打ちだが、ソーシャルゲームの急成長で市場拡大が続いているという。
また、一般女性をターゲットとした携帯電話向け恋愛ゲームが好調な「恋愛シミュレーションゲーム」が前年比30.4%増の146億円、関連商品の発売や二次創作が活発な「ボーカロイド」が同14.5%増の63億円、AKB48やその関連グループが人気の「アイドル」が同13.1%増の630億円、非オタク層をメインターゲットとした店舗が市場をけん引している「メイド、コスプレ関連サービス※」が同10.8%増の103億円と、それぞれ10%以上の成長を示している。
矢野経済研究所ではオタク市場の今後について、「コアユーザーであるオタク層と、分野により一般層を取り込み、今後も堅調に推移すると予測するが、次第に成熟していくとみる。国内市場は人口減少などにより、経済成長の鈍化が見込まれ、事業者各社ともに成長を維持するためには海外市場への進出が不可欠である」とコメントしている。
関連記事
- ソーシャルゲームにお金を払う理由、払わない理由
急速に市場が拡大している一方、消費者庁によるコンプガチャへの規制も発表されたソーシャルゲーム業界。お金を使った経験のある人の中には、月に10万円以上使ったことのある人もいるようだ。 - 「分からないものが一番いい」――秋元康氏のAKB48プロデュース術
コンテンツ業界で長らく活躍し、この度、AKB48をヒットに導いたことからASIAGRAPH 2011で創賞を受賞した秋本康氏。数々のヒットを生み出した秋元氏のプロデュースの秘密とは何なのだろうか。受賞講演で語った内容を詳しくお伝えする。 - ソーシャルゲームユーザーは、いつ財布を開くのか――顧客満足度とマネタイズの関係
どんなに面白いゲームを開発しても、せいぜい10%台の課金率というソーシャルゲーム。日々刻々と変化するユーザーの気持ちを追いながら、マネタイズのタイミングを判断するための「満足度曲線」理論を紹介する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.