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ロボット化が進めば、中間層はどうなるのか佐々木俊尚×松井博 グローバル化と幸福の怪しい関係(8)(1/4 ページ)

「人間がロボットに支配される」――。こんな話を本で読んだり、映画で見たことがある人も多いだろう。ロボットの性能が向上しているが、このまま進化していけば人間はどうなってしまうのだろうか。

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佐々木俊尚×松井博 グローバル化と幸福の怪しい関係:

 少子・高齢化に歯止めがかからない日本市場は、「縮小していくのみ」「よくて横ばい」といった見方が強い。企業は沈みゆく市場から抜け出し、グローバル化の中で新たな“財宝”を手にしようとしている。製造拠点を海外に移転したり、海外との取引を増やしたり、社内公用語を英語にしたり――。

 こうした一連の動きによって、私たちの働き方はどのように変化していくのだろうか。また企業が巨大化すれば、私たちの生活は充実するのだろうか。この問題について、ITやメディア事情に詳しいジャーナリストの佐々木俊尚さんと、アップルのどん底時代と黄金時代を経験した松井博さんが徹底的に語り合った。全9回でお送りする。


管理職がいらなくなる時代


松井博さん

松井:ロボットのことが、非常に気になっています。ちょっとしたレポートであれば、ロボットが仕上げてくれる。そうしたロボットの完成度がもっともっと高くなれば、管理職なんていらなくなるかもしれない。

 そういう時代はそう遠くないうちに来ると思うんですよ。

佐々木:実際、ジャーナリズムの世界でも最近話題になっているのが、記事の自動化ですよね。

松井:野球の記事も自動化できるそうですね。ビックリしました。

佐々木:株価もそうですね。あとは決算関係の記事も自動化できます。

松井:ロボットが書いたものでも、それなりに読めてしまうわけですね。

佐々木:そうなれば通信社の役割がなくなってしまうかもしれない。

松井:記者を派遣する必要がなくなりますよね。

佐々木:写真だって米軍の持っている無人の飛行機で撮れてしまう。

松井:戦場カメラマンなんていなくても、住民が携帯電話を使えば、写真が撮れる時代ですから。

 ロボット化には非常に興味を持っていて、このペースでいけば、ブルーカラーの仕事が機械に置き換わるのは時間の問題。またホワイトカラーの仕事もあっという間にロボットに奪われてしまうのではないでしょうか。後進国に比べればまだいいですが、日本にある仕事もやがてロボットに取られてしまうだろうなあ、と思っています。

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