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「クラウドがWebサービス作りのルールを変えた」――AWS長崎忠雄が語る“New world of IT”New Order ポスト・ジョブズ時代の新ルール(1/3 ページ)

近年のITにおける変革のスピードには目を見張るものがある。それを下支えしているのがクラウドコンピューティングだ。世界最大規模のクラウドサービスであるAmazon Web Servicesの提供者は、これからのIT潮流をどう読み解くのか?

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エンジニアType

「New Order−ポスト・ジョブズ時代の新ルール−」とは

『エンジニアtype』が創刊1周年を記念して贈る特別企画。スティーブ・ジョブズが遺したイノベーションを進化させ、新しいスタンダードを生むために乗り越えるべき壁とは何か? 新たな価値創造にのぞむ各界の大物10人が、時代の新ルールのあり方について語る。


 近年のITにおける変革のスピードには目を見張るものがある。それを下支えしているのがクラウドコンピューティングだ。

 アップルが提供するiCloudしかり、Webサービスとクラウドが切り離せない関係になっている今、世界最大規模のクラウドサービスであるAmazon Web Servicesの提供者は、これからのIT潮流をどう読み解くのか?


長崎忠雄氏

長崎忠雄(ながさき・ただお)

アマゾン データ サービス ジャパン株式会社代表取締役。1969年2月1日生まれ。福岡県出身。1993年、米カリフォルニア州立大学ヘイワード校・理学部数学科を卒業。理学士号を取得。同年、西武ポリマ化成に入社、海洋資材の海外販売に従事する。その後、デルに入社。2000年、F5ネットワークスジャパンに入社。セールスマネージャ、セールスディレクター、セールスディベロップメントシニアディレクターなどを経て、2006年4月に代表取締役社長兼米国本社副社長に就任。2011年、8月アマゾン データ サービス ジャパンに入社、2012年2月より代表取締役に就任。


“New world of IT”

――もはや企業にとって、ITというビジネスインフラは不可欠のものになりました。その中で今後ITは、どのように変わってくると思われますか?

長崎 “New world of IT”――クラウドコンピューティングは、新たなパラダイムとしてITの世界にポジティブかつ重要な変化をもたらすでしょう。ユーザーによる大きな力がIT業界を動かし、これまでの数十年間続いてきた慣習や概念を崩し、新たな世界へ順応しようとしているのは明らかです。

 従来の“Old world of IT”では、何十万、何百万、あるいは何千万円をかけてサーバやストレージをその都度調達してきました。そして、使うか使わないか分からないものでも、持ち続けないといけなかった。ところが、New world of ITでは、ハードウエア、インフラへの初期コストが不要になり、浮いたコストを変動費へ投資できることは企業にとって大きなアドバンテージを意味します。

 もう1つのクラウドの重要な特徴は、ビジネスを機敏に動かすことを可能にするスピードと柔軟性です。

 これまでのOld world of ITでは企業はハードウエア、インフラ製品が届くのを何週間または何カ月も待ち、社内のITスタッフがセットアップに時間を割いて適正に動くかどうかなどを検証して、ようやく活用できました。

 一方、クラウドを利用したNew world of ITでは、ワンクリック、数分で仮想サーバを立ち上げることもできます。それも1台、2台ではなく、ユーザーが求める必要なスペックに応じて10台でも、100台でも、何台でも瞬時に立ち上げることができます。

 また、ビジネスのデマンドにはアップダウンがあります。Old world of ITでは、スケールアップをするには、サーバを購入しなければ対応できず、納品までの時間もかかりました。ところが、仮にサービスがうまくいかず早急に撤退しようと思っても、スケールダウンするのは、ほぼ不可能でした。

 New world of ITでは、需要に応じた柔軟性を確保できます。その結果、新サービス・製品をより速くお客さまへお届けすることが可能になります。それだけ、会社としての競争力を上げることができるのです。

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