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大阪の未来はバラ色か? 橋下市長にふりかかる困難ちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(特別編・前編)(2/5 ページ)

前横浜市長の中田宏氏が、大阪市の顧問に就任することになった。活躍の舞台が大阪に変わるわけだが、彼は今、何を考えているのだろうか。人気ブロガーのちきりんさんと過去の横浜、そして未来の大阪を語り合った。

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大阪市の将来は不安


中田宏さん

ちきりん:私もその点は全く同じ意見です。既存政党がこぞって相乗りし、共産党までが平松(前)市長を支持するなんて驚愕でした。東京にいる私でさえ「あまりにも酷い!」と感じたのですから、大阪にいる有権者の「この現状を変えたい!」という強い気持ちはよく分かりますね。

 大阪府と大阪市の二重行政問題の弊害は非常に大きかったと思うので、大阪都構想にゴーサインが出たことは大きな前進だと思います。ただ、2つの組織を1つにすると、権限を奪われる人たちが大勢でるわけですから、抵抗も相当強いと思います。大阪では今後、壮絶な戦いが始まろうとしているわけですね。

中田:始まるでしょうね。大阪市役所の話は、横浜市でやったことと基本的には同じ。ただ横浜市よりも根深い問題が潜んでいます。

ちきりん:大阪は産業界の地盤沈下も長きにわたって指摘されているし、財政的にも大変そうですしね。

中田:その一方で横浜市よりも、恵まれている部分もあります。税収で言えば、横浜市よりも非常に楽ができる税収構造があるからこそ、これまでムダ使いができていた。

ちきりん:なるほど。それだけムダが大きいわけですね。

中田:ムダをつくり続けた結果、先に改革をした横浜市よりも大阪市はよっぽど将来不安があるわけです。例えば債務の割合などを見ても、横浜市よりもヒドい。

 そもそも、2011年9月現在の横浜市の人口は369万3200人、大阪市は267万1529人で大阪市の方が約100万人少ないのに、市役所の職員の数は大阪市の方が明らかに多い。だから、1000人当たりの大阪市の職員数は11人、一方の横浜市は5人。同じ行政サービスを行っていますが、大阪市は横浜市の倍の数の公務員で行っていることになります。

ちきりん:大阪市の人口って横浜市より100万人も少ない。それで市職員数が多いのでは、相当、効率が悪いということになりますね。しかも、おそらく財政的にも既に事実上、破たんに近い状態なのですよね?

中田:日本を見渡すと「事実上破たんしている行政はいたるところにある」と思っています。

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