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コラム
松田雅央の時事日想:

海外で、日本食レストランを開業する苦労とは (1/4)

海外に行って、日本食レストランで食べたことがある人も多いだろう。海外で日本の食材を手に入れるのは大変そうだが、どのような苦労があるのだろうか。ドイツで日本食レストランを営業している、とあるオーナーに話を聞いた。

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著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 ここ10年来の日本食ブームに乗り、極めて多くの日本レストランが欧州で営業している。しかし数は多くとも日本人が満足できる店になると、驚くほど限られてしまう。そんな中、ドイツ南西部の都市シュトゥットガルトで営業する「Tokio Dining」はドイツでも数少ないオススメの一店だ。今回はTokio Diningを例にして、海外日本レストラン経営の悲喜こもごもをお伝えしよう。

 「日本レストラン」という言葉は、外国でのみ使われるちょっと変わった日本語だ。日本食の需要が限られる欧州では寿司屋、うどん屋、焼き鳥屋など、日本のような経営は成り立ちにくく、日本食をオールマイティーに出す店が主流になる。そこで登場する便利な呼称が日本レストランだ。

 Tokio Diningが開店したのは2010年10月。オーナーのアルガイアー恵子さんは以前、シュトゥットガルトの日本国名誉総領事館、館長として、バーデン・ヴュルテンベルク州在住4000人の邦人を見守ってきた。だから、広い意味での脱サラということになりそうだ。


オーナーのアルガイアー恵子さん

開業のきっかけ

――開業のきっかけは?

オーナー:シュトゥットガルトは人口60万ですが、本格的な日本レストランはこれまでの過去25年間、1軒しかありませんでした。この規模の都市で1軒だけというのはとても不思議。いろいろな日本人に声をかけたけど開業しようという人は現れず、それならば自分でとなりました。このシュバーベン地方は保守的な土地柄で、新しいものに手を出したがらない気質があります。だから、新しいものがでてきても皆すぐには飛びつかないので、新事業の参入が難しい土地と言われています。

――めん類をメインにする店はドイツでもまだ小数です。あえて「スシ&ヌードル」の店にしようと考えたのはなぜ?

オーナー:日本人の食生活で、寿司より近いのが麺。日本のめん文化をもっとドイツに広めたいという想いがあります。

 それで開業前、四国に麺の研修に行きました。ただ、だからといってこちらでめんを作れるようになるわけではないんです。機械が必要だから。機械を買うほどでもないんですよ、量が。1日で何百食と出ないと採算が合わないので、うどんもラーメンもめんは半乾きめんを四国から空輸しています。

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