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コラム

日本の“seifuku”を世界に――「なんちゃって制服」の殿堂、CONOMi物語(1/4 ページ)

日本のポップカルチャーを紹介するイベントでは、日本の学生の制服を思い思いにアレンジした「なんちゃって制服」に身を包む若者が増えている。なぜ、制服ファッションは海を越え、海外へと広まっているのだろうか。「なんちゃって制服」の殿堂、東京原宿の制服アイテム専門店「CONOMi」を取材して人気の秘密を探った。

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アジアンビート

 「なんちゃって制服」という言葉をご存じだろうか?

 2009年2月、外務省は海外に最新の日本文化を売り込もうと、ファッション分野で活躍する3人を「ポップカルチャー発信使(通称カワイイ大使)」に任命。その中のファッションの1つとして選ばれたのが「なんちゃって制服」だ。


カワイイ大使たち

 フランスなど海外で開かれる日本のポップカルチャーを紹介するイベントには、人気のアニメや漫画のキャラクターのコスプレ衣装に身を包む若者や、思い思いにアレンジした「なんちゃって制服」を着た若者が数多く訪れている。今、マンガやアニメ、制服などの若者文化は海を渡っており、海外の女の子の間で制服ファッションは大人気となっている。

 その火付け役で「なんちゃって制服」の殿堂ともいえるショップがある。今回アジアンビート編集部は、東京原宿の竹下通りの制服アイテム専門店「CONOMi(コノミ)」を取材した。

CONOMiのはじまり

 10年ほど前に注目された“女子高生文化”を思い起こすと、それはガングロやルーズソックス、ダルダルニットカーディガンだった。それらのスタイルは当時の女子高生による、社会や学校への反抗精神、規制のルールの破壊を象徴するアイコンとなっていた。

 「当時のいわゆる“ギャルな制服”も、ある意味では“なんちゃって制服”だったんです」とCONOMiの相浦社長は語る。

 しかし、世に美白ブームが訪れ、きれいめのファッションが流行し、制服のみならずファッション全体の流れが変わり始めたころ、女子高生の文化にも「自分をよりきれいに見せるものとしての制服」が求められるようになった。

 「なんちゃって制服」に求められるものも変化していった。紺色のハイソックス、きれいな色のブラウスなどがその現れだ。上品できれい、かわいい、憧れの制服スタイルが始まるきっかけである。

新潟から制服ファッションを発信

 実は、CONOMiの相浦社長は新潟での高校時代、「制服の自由化」を求めて学校に提案を続けていた。在学中にその提案がかなうことはなかったが、卒業して約10年後、制服の自由化が実現した。制服が自由化されると、まず当時の女の子たちは「自分らしい制服が着たい」と主張したという。

 そのころ、新潟で制服アイテムを販売するお店を運営していた相浦社長は、地元の女の子たちの声に応え始めた。すると、「かわいい制服のショップがある」という噂は他校、他県へと少しずつ、でも確実に広がっていった。時間が経つにつれて、問い合わせの件数も増えていった。

 「思った以上に反応がある。でも今、この新潟のお店だけではすべてのお客さんの要望に応え切れていない」

 そう感じた CONOMiでは、まずホームページを立ち上げた。そこで商品を買えるようなシステムを整えると、北海道から沖縄まで、多くの注文をもらった。特に東京都内からの注文が多かったという。「やはり都内に店舗を構えるべきだろうか」、相浦社長は悩んだ。

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