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クレジットカードのススメ――達人のカード術に学べ!クレジットカード特集、スタート

あなたはクレジットカードを何枚持っていて、どれくらい使いこなしているだろうか? ビジネスパーソンにとって、クレジットカードや電子マネーは、上手に使えば強い味方にも、小遣い稼ぎにもなる存在。達人はどのように使っているのか、ちょっと話を聞いてみよう。

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 あなたの財布の中には、クレジットカードは何枚入っているだろうか? 現在日本では、1人が持つクレジットカードの枚数は、平均2〜4枚程度といわれている(調査によってばらつきはあるが)。

 カードは持っていない、ほとんど使わないという人もいるだろう。しかしビジネスパーソンにとってクレジットカードは、上手に使えば強い味方にも、小遣い稼ぎにもなる存在。達人はどのようにクレジットカードを使っているのか、ちょっと話を聞いてみよう。

マイルで毎年、夫婦で海外旅行

 北原一史さん(30代半ば・仮名、以下同)は仕事柄出張が多く、年に3〜4回は海外へ行く。行き先は米国が多いので、飛行機はノースウエスト航空で統一。同社のマイレージプログラム「ワールドパークス」をためるのが、半分趣味のようになっている。1回米国へ往復すると、約1万5000マイルがたまる。出張だけで年間6万マイル弱がたまる計算だ。

 北原さんが使っているクレジットカードは、ノースウェスト航空とJCBの提携カードである、「NWA/JCBワールドパークスカード」1枚。出張先のホテル代や飲食費はもちろん、日本での日常の買い物もできるだけこのカードで支払うという。公共料金や携帯電話料金の引き落としなども含め、月にカードで支払う額は約20万円。「100円=1マイル」なので、買い物だけでも年間約2万5000マイルほどがたまる。

 ためたマイルは当初、座席のアップグレードに使っていたが、今は無料航空券に交換している。無料航空券を獲得するには、国内線は片道1万5000マイル、アジアなら片道約2万マイル必要。「国内線でマイルを使ってしまうと割高なので、アジアがオススメ」ということで、今は年に1度、2人で往復8万マイルを使い、妻とアジアへ海外旅行に行くのが楽しみだという。

クレジットカード+電子マネーでコツコツと

 北原さんのように年に何回も米国に行く人はそう多くないだろう。「出張も海外旅行もしないから、飛行機のマイルなんて関係ない」という人でも、自分で全く航空券を買わなくても、普段の暮らしだけでマイルを貯めることはできるのだ。ポイントはクレジットカードと電子マネーを上手く使うところにある。

 須藤将さん(30代前半、仮名)は「ANAカード」「ライフカード」「楽天カード」の3枚のクレジットカードを主に使っている。仕事はシステムエンジニアで、海外どころか、国内出張すら滅多にない。それでも年に1回飛行機で往復できる程度には、マイルがたまっているという。

 須藤さんの場合、ガス、電気、水道といった公共料金、携帯電話のほか、家賃もANAカードで引き落としている。これだけで毎月15万円。100円=1マイルなので、年間1万8000マイルがたまる計算だ。

 ANAのマイレージプログラムは、電子マネー「Edy」と連携しており、カードでなくEdyを使った場合でもマイルをためることができる。須藤さんはEdyのヘビーユーザーでもある。食品、書籍、外食など、ほとんどの買い物はEdyかクレジットカードで支払う。Edyはカードやおサイフケータイにチャージ(入金)して使うが、ここで登場するのがライフカード。実は現金でなくライフカードからEdyチャージをすると、クレジットカードのポイントが付くのだ。クレジットカードのポイントも最終的にはANAのマイレージに移行するため、Edyを使って付いたマイルとチャージで付いたマイルの両方を獲得できることになる。

 家電量販店で買い物をするときには、Edyが使えるヨドバシカメラに行く。家電量販店では、現金とクレジットカードとではポイント付与率が異なるが、Edyには現金と同じポイントが付くためだ。Edyで支払った結果、ヨドバシカメラのポイントとANAのマイルを両方獲得できる……という仕組みである。

 もう1枚の楽天カードは、ネットショッピング用。須藤さんはほとんどの買い物をネットでするという。書店で欲しい本を見つけたら、家に帰ってから楽天ブックスで注文。彼女と旅行に行くときも楽天トラベルで宿を予約する。家具などを買うときも、楽天市場を利用して、できるだけ楽天カードで支払うようにしている。楽天ポイントは1ポイント=1円だが、楽天カードだと一般のクレジットカードの倍ポイントが付くためだ。

 話を聞いて、「徹底してますねぇ」と思わず感心してしまったのだが、須藤さん曰く「まだ自分は甘い」とのこと。本当なら楽天カードから引き落とすのではなくコンビニ払いにして、ネットショッピングの代金をEdyで支払うほうが、もっと効率的にマイルを貯められるから、だそうだ。

 須藤さんのように、飛行機に乗ることなくマイルをため、無料航空券を獲得する人を、「陸(おか)マイラー」と呼ぶ。

クレジットカードを使わない理由

 印象的だったのが、須藤さんも北原さんも共通して「クレジットカードを使わない理由が分からない」と話していたことだ。「どうせ同じお金を払うなら、ポイントが付いた方がいいのに、現金で払う気持ちが分からない」と真顔で言われて、どう返事をしていいか困ってしまったほどである。

 とはいえ、クレジットカードは使いたくない、嫌い、という意見が根強くあるのも事実だ。理由としては、以下のようなものが挙げられるだろう。

  1. クレジットカードは借金だ
  2. 現金で払えるのに、なぜクレジットカードで払わなくてはいけないのか
  3. 使いすぎが怖い
  4. スキミングなど、不正利用が怖い
  5. (ゴールドカードなど)高い会費を払って、高級な店で使うモノだから自分には関係ない

 キャッシングや分割、リボ払いの支払いが滞って苦しんでいる人を見ていると、確かに「クレジットカードは借金だ」と筆者も思う。しかし正しくは、クレジットカードは借金ではなく“ツケ払い”だ。

 ただ、一括でツケ払いができるなら、「現金で払えばいいじゃないか」という気持ちも分かる。しかし実は、同じ額の買い物をした場合の“おトク度”を考えると、実際には以下のようになる。

カードで一括払い>現金払い>分割・リボ払い


 分割やリボ払いは、金利を考えると明らかに高くつく。我慢ができるなら、必要な金額をためてから、カードなり現金なりで一括で支払ったほうが安上がりだ。

 一括で支払う場合、ポイントやマイルが付くのが一般的な今は、現金よりカードのほうがトクになる。須藤さんの例を見ても分かるように、クレジットカードでお金を払えば、ポイントという形で使ったお金が返ってくる。航空券になるまで貯まらないまでも、カード会社が用意しているプレゼントに交換する手もあるだろうし、また最近ではポイントをEdyやSuicaなどの電子マネーに交換できるケースが増え、文字通りの“キャッシュバック”を受けられるのだ。一括で支払えるなら、カード払いは借金ではないし、現金払いよりもメリットが大きい。

 使いすぎが怖いというのも同様の話だろう。「カードだから」と安易に高い買い物をせず、ある程度お金を用意してから買い物をすれば良い話だ。要は自分がしっかりしていれば問題ない。

実は安全なクレジットカード

 万が一スキミングなどの不正利用がされた場合には、盗難保険が適用される。ネットショッピングで番号を盗まれる、などのケースもたまに耳にするが、補償がしっかりしているクレジットカードは非常に安全な決済方法なのだ。

 実はちょうど今朝、筆者の自宅にカード会社から電話がかかってきて「今日、イタリアで50万円相当の買い物をしましたか?」と問われた。自宅にいるのに、まさかイタリアで買い物をしているわけがない。「それは私ではありません」と答えると、手元にカードがあることを電話で確認された後、「番号をどこかで盗まれ、その番号でカードが偽造されたのでしょう、新しい番号のカードを送ります」との答えだった。イタリアで使われた50万円は?と尋ねると、「異議申立書を書いていただければ結構です。こちらで処理します」との返事だった。電話がかかってきたときはさすがに驚いたが、すんなりと対応してもらえることに、逆に安心した。

 ゴールドカードなど高い会費が必要なクレジットカードは、海外に行くと思わぬところで役に立つ。空港のラウンジが使える、海外で困ったときに日本語でコンシェルジェサービスが使えるといったサービスの他、筆者が便利だと思うのが身分証明書の代わりになることだ。

 欧米では、日本よりもクレジットカードの本人確認を丁寧にする印象がある。買い物をしたり、ホテルに宿泊したりするときに、パスポートも呈示するよう求められることが多いのだが、裏に顔写真が付いているクレジットカードだと、パスポートなしで済ませてくれることが多い。そのカードがステイタスのあるカードであれば、信用度もグッと増す。ホテルの場合、ステイタスのあるカードを持っている場合、グレードの高い部屋に空きがあればそちらに換えてもらえるケースもある。「自分はちゃんとした人間ですよ」と外国で主張するためには、ステイタスのあるクレジットカードは非常に便利なツールなのだ。

 10月から、Business Media 誠では「誠世代のクレジットカード学」と題して、クレジットカードに関するさまざまな記事を掲載していく。ここでは2人の例を紹介したが、「どう選び、どう使えばより便利なカードに育つのか?」という問いの答えは、ライフスタイルによって異なる。本特集では、ポイント、年会費、特典などさまざまな観点から、クレジットカードについて考えていく。本特集を、よりよい毎日を送るための一助としていただければ幸いだ。

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